Project/Area Number |
22K00533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
田島 弥生 山陽小野田市立山口東京理科大学, 共通教育センター, 准教授 (10758204)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 言語相対説 / 眼球運動測定 / 談話 / 情報構造 / 周辺認知 |
Outline of Research at the Start |
人は自分の心象を写真のように写し出すことはできず、固有の語彙、文法構造を持つ特定の言語で表現せざるを得ない。その結果、ある事物や出来事に対したとき、人は自らの言語で表現可能な部分、表現する必要のある部分に無意識に目を向けてしまう。このThinking for Speaking 仮説(Slobin 2003)によって再び脚光を浴びるようになった言語相対説に関しては、主に言語固有の語彙や統語が認知構造に及ぼす影響について検証が行われてきた。一方、本研究は、語彙や統語のレベルでは扱いきれない、談話レベルに観察される言語固有の情報構造が母語話者の周辺認知に及ぼす影響について実験的に検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本語には周辺情報から先に言語化されるという情報構造が見られる。それは、統語レベルにおいては主要部(Head)が句や節の最後に現れて、ComplementやModifierがその前に現れるというHead-finality構造に見ることができるし、また談話レベルにおいても、周辺情報から先に述べるという習慣的な情報提示の順序にその傾向を見ることができる(池上 1981)。文化人類学研究では、日本人の周辺認知の高さが指摘されるたびに、アジア人特有の包括的認知傾向にその解釈が求められてきたが、上記の言語的特徴を勘案すれば、日本語特有の言語習慣によるものという言語相対説的解釈も可能である。つまり、周辺情報から先に言語化される日本語談話の情報構造により、日本語母語話者は周辺情報により注目するという認知傾向を身につけるようになったのである。 この仮説に基づき、本研究では、日本語、英語の母語話者を対象に、まずは静止画像の言語描写実験によって各言語の談話レベルに観察される情報構造パターンを特定したのちに、静止画像を注視する際の眼球運動を計測し、画像の中心部から周辺部へと注視点が移行する早さを言語グループ間で比較する。 実験刺激には、人物写真、動物写真、絵本の挿絵を各8枚ずつ選定して24枚の画像を用意し、24枚のフィラーと合わせて合計48枚の刺激セットを作成した。静止画刺激をTobii Pro ラボに取り込み、画像の中心部をFigure領域、 周辺部をGround領域と設定し、刺激提示順序をランダム化した。自発的な実験参加者(日本語母語話者38名)を募り、アイトラッカーを装着したPC画面に静止画像を一枚ずつ提示して、画像の「言語描写あり」と「言語描写なし」の二つの条件設定で、Figure領域とGround領域に現れるFixationをそれぞれ観測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は日本語母語話者38名のデータを採取することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、採取したデータの分析を行う。まずは言語描写データから、Figure領域に属する要素とGround領域に属する要素を抽出し、Figureの前に現れたGround要素の数の平均値を言語グループ別に算出する。これにより、日本語、英語の談話レベルに観察される情報構造が、Figure > Groundの順序であるか、Ground > Figureの順序であるかを特定する。次に、眼球運動データから、Time to First Fixation(刺激提示開始からFigure領域、Ground領域に初めて注視点が現れるまでの時間)と、Total Fixation Duration(Figure領域、Ground領域に現れた注視点の滞留時間の合計)を計測し、Figure領域からGround領域へと注視点が移行する早さを言語グループ間で比較する。この2つの結果により、Ground-Figure型の言語グループ(周辺情報から言語化される情報構造を持つ言語母語話者)は、Figure-Ground型の言語グループよりも、静止画像のGround領域へと注視点が早く移行するかどうかを統計的に検証する。
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