古声楽譜を資料とした日本語特殊モーラの自立性に関する歴史的研究
Project/Area Number |
22K00571
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
浅田 健太朗 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (50346045)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 特殊モーラ / 二重母音 / 母音連接 / 促音 / 入声音 / 撥音 / 謡曲 / 謡本 / 特殊モーラの自立性 / 声楽譜 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、中近世日本語の促音・撥音・長音・二重母音の後部要素のふるまいを研究対象とする。例えば現代の促音は、楽譜において、1つの音符を与えられることもあれば、前のモーラとひとまとりで1音符を割り当てられている場合もある。これは促音モーラが独立して分節されているか、音節単位で前のモーラと結合した形で分節されているかの違いであり、言語音の分節意識が節付に反映していると捉えられる。 そこで本研究では、日本語による伝統音楽の譜を資料として取りあげ、特殊モーラを含んだ重音節に対して、どのように譜が割り当てられているかについて調査を行い、特殊モーラの独立性がどのように変遷しているかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、謡曲譜を中心に調査を行うとともに、すでに調査済みのデータとともに整理し、分析を行った。具体的には、金春禅竹、禅鳳、世阿弥の謡本・能本について、国文学研究資料館編『金春禅竹自筆能本伝書』や世阿弥自筆能本について調査分析を行うと同時に、原本調査を行い、資料の実態について確認を行った。詳細は次の通り。 1. 原本調査:野上記念法政大学能楽研究所の所蔵する謡本資料について、閲覧・調査を行った(2回)。同時に調査資料の複写を行った。 2. 謡曲譜の調査・分析・整理:次の謡本について節付の状況を確認し、データベース化を行った。世阿弥自筆能本、長俊筆「当麻」、元広「松風村雨」、天文三年本「求塚・木賊・哥占」、元頼章句中本「まつの尾」、宗節筆「錦木・竹雪・東北・藤戸」、与三郎忠親筆「きぬた」、身愛「隅田川・源氏供養・とほる」「藤迫門」、永正三年「玄上」、禅竹伝書、禅鳳「富士山・隅田川・自然居士・当麻・百万・芳野静・楊貴妃」、天文三年筆「初雪」、山崎宗鑑筆「百萬」、喜勝筆「龍田・老松・忠則」、岌蓮筆「吾子胥」、安照筆「賀茂・百万」、宗〓(日+折)節付本曲舞。 3. 金春禅竹伝書にみられる節付の様相から、室町期15世紀の母音連続の音韻・音声について検討し、室町時代15世紀の謡本では、後部要素ウは一体的な節付が多く、分節意識として非独立的であり、後部要素イ・エ・オは独立的な節付が多く、分節意識として独立的であることを明らかにした(論文投稿済)。 4. 15世紀から16世紀にかけて謡本における特殊モーラへの節付について検討し、その変遷の実態について分析を行った(現在論文作成中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり、謡曲譜の調査が順調に進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き謡曲譜に関するデータを整理・分析しながら、早歌譜・平曲譜の実態の調査を行う。なおデータの確認に、大学院生の協力を仰ぐ予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)