八丈語の記述文法書作成と言語継承への応用に関する研究
Project/Area Number |
22K00592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
三樹 陽介 駒澤大学, 文学部, 准教授 (40614889)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 八丈語 / 記述文法 / 継承教育 / 消滅危機言語 / ドキュメンテーション |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、消滅危機言語である八丈語を調査・記述・分析し、保存・継承・研究のインフラ整備をすることである。具体的には、記述文法書を作成するとともに、継承教育のための文法教材を作成し、国内外及び未来に発信することを目的としている。八丈語の文法体系を詳らかにすることで、日本語本土諸方言及び琉球諸語との比較研究を円滑にし、日本祖語が分岐していく系統図の中に八丈語を位置づけ、日本祖語再建に貢献することを目指し、その知見を継承活動に応用する。グローバル化の中で衰退する少数言語の記録・保存・継承は社会的課題であり、本研究は日本における消滅危機言語の保存・継承研究としてこれに応えるものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、記述の枠組の検討や調査項目の開発など、研究の下準備期間と位置付けており、収集済みデータや先行研究の用例整理を行ない、簡易的な方言概説書を執筆する計画だった。先行研究の分析や用例整理については一定程度進めることができたが、方言概説書については臨地調査が実施できなかったことにより、補完できていない項目が残されており、完成には至っていない。
2022年度は80代が中心の高齢話者に対して臨地調査等が行えるような状況ではなかったが、年が明けて2023年に入ると、文化庁主催の消滅危機言語・方言サミット(於、鹿児島県沖永良部島知名町)や第1回八丈方言大会(於、東京都八丈島八丈町)など、国や自治体が主催する方言継承活動に関する取り組みが実施されるようになった。こうした催しものについては積極的に参加・取材するようにしたが、この際、出席していた教育委員会関係者や島民、高齢の話者に接触し、今後の調査について相談する機会を得た。2023年5月時点ではまだ本格的に臨地調査を再開するところにまでは至っていないが、夏以降の方言調査実施を目指して頻繁に連絡を取り、緊密な関係を維持している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、記述の枠組の検討や調査項目の開発など、研究の下準備期間と位置付けている。収集済みデータや先行研究の用例整理を行ない、現在作成中の簡易的な八丈語概説書を2022年度中に仕上げる予定であったが、新型コロナウィルス蔓延の影響で臨地調査が行えなかったことから、データの確認作業や用例収集・補完作業ができなかったため、完成には至っていない。また、それを基に学習書を作成する計画で準備を進めていたが、こちらも同様の理由で完成が遅れている。 一方で、これまで収集済みのデータの整理や、方言継承のための情報収集については積極的に進めており、調査再開後にはこれらを統合して学習教材の作成に取り掛かれるよう、準備を進めている。論文や研究発表についてもデータの不足により、十分な成果があげられなかったことは反省点として挙げられるが、一方で、データ不足以外にはそれほど大きな障壁はないため、臨地調査を再開し、データの補完ができれば、随時発表できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度夏頃から、本格的に臨地調査を再開する方向性で、話者の方々と連絡を取り合っている。まずはデータの欠落により作業が遅れている部分の補完調査を行うことを最優先し、遅れている簡易概説書や学習教材の作成を進めるとともに、記述文法書の作成に傾注し、成果を随時公開していくことを目指す。併せて、状況が許せば、やや規模の大きな調査を行ない、基礎語彙のデータについても個人差を含めデータを更新していくことを考えている。
また、秋には消滅危機言語・方言サミット(沖縄県与那国町)に取材に行くことを予定しており、そこで得た知見を学習教材や方言継承活動に反映させていくことを目指している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)