Project/Area Number |
22K00607
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中山 仁 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (70259810)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 関係詞 / 発話解釈 / 語用論 |
Outline of Research at the Start |
本研究の主たる目的は、英語の関係詞の指示機能と接続機能について、発話解釈の観点から分析を行い、語用論的に動機づけられた指示特性と文連結機能を割り出し、それらの背景にある文脈と推論の相互作用を理論的・実証的に解明することによって、関係詞節の発話意図と発話解釈についてのより包括的な説明を与えることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる目的は、英語の関係詞の指示機能と接続機能について、発話解釈の観点から分析を行い、語用論的に動機づけられた指示特性と文連結機能を割り出し、それらの背景にある文脈と推論の相互作用を理論的・実証的に解明することによって、関係詞節の発話意図と発話解釈についてのより包括的な説明を与えることである。 具体的には、①関係詞の指示機能に関して、類似の指示機能を持つとされる代名詞(it, thatなど)と比較し、それぞれの機能上・語用論上の指示特性を抽出する。②関係詞の連結機能を他の連結語(connectives)と比較し、談話標識(discourse marker)としての特異性を明らかにする。③指示機能と接続機能の2つの機能をあわせ持つということが理論上どのような意味を持つかについて、関連性理論における位置づけという形で実現する。 研究初年度となる令和4年度は先行研究を収集・検討するとともに、コーパスを活用してデータを収集し、これらに基づいて、主に会話などの話し言葉に特徴的な非制限的関係詞の指示機能と連結機能に焦点を当てて分析を進め、非制限的関係詞節(Which節)の発話意図と関係詞の指示について検討した。その結果、第1に、関係詞は先行発話を聞いた[述べた]時点で、それをきっかけに新たな想定(結論・疑問・追加情報)が導出されたことを明示する談話標識として機能する特徴があること、第2に、先行発話は単なるきっかけであり、新たな想定の導出は、リアルタイムでの情報処理の中で先行発話と記憶などを含めた話し手の想定との相互作用が関わっており、そのため、時に関係詞と先行詞との指示関係があいまいになること、第3に、談話連結機能と指示のあいまい性という点から、文脈によっては関係詞がit/thatなどの代名詞よりも会話において現れやすいことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度研究実施計画によれば、本年度の目標は、先行研究・データの収集、データの分析を行い、その成果を公表することである。非制限的関係詞節の発話解釈に関する先行研究は比較的少ないものの、所属学会での活動を通して有益な資料が入手できた。不足する資料についてはコーパスを活用してデータ収集した。その結果、話し言葉の特徴と非制限的関係詞節自体の特徴とを関連づけることによって、関係詞の生起の背景をより具体的に説明する道筋がついた。研究成果の一部は英語語法文法学会(編)による書籍を通じて公表する予定である。 以上より、現在までのところ、おおむね計画通りの進捗状況にあるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は主に以下の3点を目標に研究を推進する。 ①関係詞の指示機能に関して、関係詞を代名詞と捉え、類似の指示機能を持つとされる代名詞(it, thatなど)と比較し、機能上・語用論上の指示特性についてさらに検討する。 ②関係詞節を含む文の発話における主節と関係詞節の発話意図について、先行文脈や話し手の想定、発話の場でアクセス可能な情報を含めた広義の文脈の影響を分析する。 ③関連性理論に基づいて、話し手の意図した方向に聞き手の解釈を導くための推論プロセスを探り、関係詞の概念的意味と手続き的意味の関係を明らかにする。
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