Theoretical and Demonstrative Research on Variation of Defectiveness of Sentence Structure and Locality of Movement
Project/Area Number |
22K00609
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
後藤 亘 東洋大学, 経営学部, 准教授 (50638202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 侑嗣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (00964628)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 普遍性 / 多様性 / 極小モデル / 併合 / 探索 / 文構造の欠陥性 / 移動の局所性 / アマルガム |
Outline of Research at the Start |
本研究では、生成文法の最新の枠組みである「極小モデル」の観点から変異についての新たな説明理論の構築を目指す。具体的には、普遍的な構造構築操作の「併合」と原理的な第3要因の 「検索」のみを最大限活用し、これまでの先行研究で明らかになった二つの大きな変異特性である 「文構造の欠陥性」と「移動の局所性」をどのように統一的に説明することができるのかを検討する。 特に、日本語・ドイツ語・英語タイプの言語で観察される変異データを実証的に分析することを通して、変異を司るメカニズムの解明に貢献し、極小モデルの進展に寄与することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
言語には、すべての言語に共通する普遍性(原理)と個々の言語間に見られる多様性(変異)が存在する。言語研究を通して人間の認知システムの解明を目指す生成文法では原理と変異の性質を同時に説明することができる理論の構築を目指している。生成文法の従来の枠組みでは変異を説明するためにパラメータや外在化という概念が提案されてきた。本研究では生成文法の最新の枠組みである極小モデルの観点から変異についての新たな説明理論の構築を目指している。 具体的には、普遍的な構造構築操作の併合と原理的な第3要因の検索のみを最大限活用し、これまでの先行研究で明らかになった二つの大きな変異特性である文構造の欠陥性と移動の局所性をどのように統一的に説明することができるのかを検討している。 特に、日本語・ドイツ語・英語タイプの言語で観察される変異データを実証的に分析することを通して変異を司るメカニズムの解明に貢献し、極小モデルの進展に寄与することを目的としている。 研究初年度(令和4年度)は、研究計画に従い、文構造の欠陥性の変異に関する研究を主に行なった。文構造の欠陥性の変異は、併合を中核的機能範疇(C, T, v)に自由に適用することで得られるという分析を行い、日本語、ドイツ語、英語の3言語で観察されるクラスター効果(Rizzi 1982)(虚辞の有無、動詞句前置の有無、動詞句削除の有無、Wh移動の有無、主語と動詞の一致の有無)に対して統一的な分析を与えた。自由併合理論のもとで、日本語、ドイツ語、英語の3言語で観察されるクラスター効果に対して統一的な分析を与えた先行研究は存在していないため、本研究はこれら3言語で観察される変異現象に対して新たな分析の方向性を提示する重要な成果となった。本成果は、WCCFL 39のProceedingsとして出版される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、Noam Chomsky氏が提唱した生成文法の極小モデルの枠組みで言語の多様性をどのように説明することができるかという言語変異の問題を扱っている。 Chomsky氏はこの極小モデルをさらに推し進め、2023年に「box理論」という新たな枠組みを提示し、従来想定されてきた移動に関する重要な概念(例:連続循環移動など)の不要論を唱えている。本研究では、移動の局所性に関する変異も研究対象としているため、この最新理論も射程にいれながら提案理論の検証、再構築、精緻化をしていく。これまでのところ、当初の研究計画を順調に進めることができているだけでなく、この最新メカニズムについてもChomsky氏と密に連絡を取り合いながら研究を進めることができているため、本研究課題は当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、今後は併合と探索に焦点を当てながら、とくに移動の局所性とラベルに関する言語間変異の研究を進めていく。さらに、現時点において、日本語のradical reconstructionとanti-labeling、そして英語、日本語、イタリア語、ドイツ語などの主語位置に関する言語間変異に対して「box理論」の観点から新たな分析を提示できる可能性が出てきたので、本課題の研究テーマをさらに拡張するかたちで、これらの現象も研究していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)