Toward a constructional account of the co-evolution of formulaic expressions and discourse structure: A case from the history of English
Project/Area Number |
22K00610
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
柴崎 礼士郎 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (50412854)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 談話標識 / 語用論標識 / 構文化 / 定型表現 / 歴史語用論 / 対照言語学 / 英語史 / 日本語 / 構文 / 英語 / 歴史言語学 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では、英語定型表現の発達を、とりわけ近代英語期以降の談話構造の発達と関連付けて考察する。談話構造の歴史的発達は、前後の文・発話や段落間を論理的に繋ぐ定型表現の発達が強く推奨されはじめた18世紀末頃より広く確認でき、そうした表現群は「構文化(constructionalization)」という理論的枠組みと相性が良い。本課題では定型表現を書きことばと話しことばで広く考察し、特に文・発話間や段落間で創発する談話・語用論標識、破格表現および刷新表現を構文化理論の観点から論ずる。人間の認知的・相互行為的営みと言語変化の関係を質的・量的に解明し、言語教育における定型表現指導の発展にも寄与する。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者のこれまでの研究は、現代英語で確認可能な定型表現の多くが17世紀後半以降に創発していることを示してきた。定型表現が発達する背景として、科学論文誌や小説の発達、および、談話構造に関するレトリック研究が同時期に見受けられることが考えられる。 2022年度は、改めて、初期近代英語から現代英語にかけての定型表現の概観を把握することから着手し、研究の着眼点と目測に誤りがないことを確認した。そこで、新たにwhat matters is (that)表現に注目し、17世紀以降の定型的および構文的発達を考察して国際学会にて口頭発表を行った。 一方、再調査の中で、中英語末期から広く使用されていた表現が、17-18世紀を境に比較的急速に衰退していることに気付いた。そこで、近代から現代にかけて発達した定型表現群をより良く理解するためには、前近代まで使用されていた定型表現を精査する必要性を感じ、以下の2表現の調査を進めた。1つは、申請者がかつて予備的調査として取り組んだ it/there is no nay 表現であり、ベルゲン大学准教授のJerzy N. Nykiel氏の協力を得て、本格的な研究へ至った。共同研究発表を経て現在論文を執筆中である。もう1つは、副詞 iwis の衰退に類推と再分析が深く関係している点を指摘して草稿を仕上げ、2023年7月に国際学会での発表許可を得た。 談話構造に関係する定型表現群の歴史的発達は、類推や再分析をともなうメカニズムの点や言語接触などの点で、他言語とも深く関係していることも知りえた。日本語における漢語由来の談話標識の発達、および、英語との言語接触を経て創発した「より」の副詞機能についても研究を進め、ともに国際ワークショップでの招待講演者として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の課題進捗状況がおおむね順調であると判断した理由は以下のとおりである。まず、予定していた3回の国際学会での口頭発表を遂行できた点に加え、国際ワークショップでの招待講演の機会を2回得ることができ、研究成果を迅速に報告するという点では十分な進捗状況であった。一方で、執筆済論文の刊行が遅れ気味である点は、研究計画上、幾分のマイナス要因と判断した。改善策として、研究発表を通して論文を刊行するアプローチだけではなく、研究成果を直接ジャーナルへ投稿するアプローチも取るべきであることを学んだ。 コロナウイルスの収束が予想ほど早くはなく、現地開催の国際学会での発表を2回見送ることとなった。しかし、発表辞退をしたことで考察を深める時間を更に取ることが可能となり、同年度中に別の学会で発表する機会を得ることができた。現在、両研究に基づく論文を執筆中でもある。結果的に、研究計画面での一時的な遅れを回避することができただけではなく、1つは国際共同研究へと至り、もう1つの研究も新たな共同研究として打合せを重ねている。 懸念される点は、2022年10月以降、断続的ではあるものの航空券の高騰が続いていることと、世界各地での物価高騰にともなう宿泊費の急騰である。経費面での調整が必要になる可能性は否定できないが、研究そのものの進捗が良好であるため、大きなマイナス要因にはならないと予想している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は、2023年度に在外研究の機会を得て、ブリティッシュ・コロンビア大学英語英文学科で客員教授を務めている。同学科に所属しているLaurel J. Brinton教授とは20年来の知り合いであり、2014年に刊行された論文集では共同作業を経験している。Brinton教授との意見交換を通して、同年中に、研究成果の一部を中心とした単著の執筆を進めている。2022年度中に口頭発表した研究成果も、現在論文として執筆中である。Brinton教授との共同研究は現在意見交換中であり、夏期休暇中には方向性を決めたい。 2023年7月には、第22回英語歴史言語学会(ICEHL22)および国際語用論学会(IPrA2023)での口頭発表を控えている。前者は個人発表であり、後者では申請者を含む3名を責任者とするパネル発表が組まれている。パネルには申請者を含む9名による口頭発表に加え、Brinton教授が指定討論者として参加するプログラムが既に発表されている。 慫慂論文および招待講演の依頼もある。慫慂論文は、談話機能言語学の視点から認知言語学の現状と今後の課題に関するもので、投稿先は国内学会誌である。招待講演は中国・中山大学で開催される国際ワープショップ(2023年10月予定)でのものである。 2023年11月以降は、刊行予定書籍と執筆中の論文を仕上げることに主眼を置く。2024年度に開催される学会への応募も同時に検討していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)