日英語ならびに西欧諸語の「語りのテキスト」における時制とその関連現象の包括的研究
Project/Area Number |
22K00615
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
和田 尚明 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40282264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 淳也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20349210)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 時制 / アスペクト / モダリティ / 語り |
Outline of Research at the Start |
研究代表者が提唱する「包括的時制解釈モデル」と「語りの解釈理論」を融合することで、日英語ならびに主な西欧諸語の語りのテキスト(主に、小説)における時制およびモダリティ・心的態度・主観性・視点などの関連現象の類似点と相違点を、包括的かつ体系的に分析する。その際、視座の問題や分岐的時間といった概念をどう取り込むのかについても詳しく検討し、語りのテキストに出現する時制形式、アスペクト形式、モダル形式の意味機能が、いくつかの解釈環境においてどのように関わり、どのような解釈値を表すことになるのか、そのメカニズムを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
和田は、「語りのテキスト」からの例を中心に用いて、英蘭語の現在完了形とGO未来形の比較研究や英語の現在進行形・現在完了進行形に関わる諸現象の時間構造分析を行った。また、日英語の時制体系に関する違いについて自身の提案する包括的時制解釈モデルの観点からの見直しを行った。渡邊は、「語りのテキスト」における仏語と科語の未来表現の比較研究やロマンス諸語の条件法の比較研究を行った。 本年度の研究会は、筑波大学・東京大学にて対面で開催し、その活動記録は以下のとおりである。第1回(川瀬瑛美):「フランス文学のルーマニア語訳にみられる間接話法の時制の一致」・(和田尚明):「英語の状態進行形:認知言語学的観点に基づく時間構造分析」 第2回(志村春香):A Cognitive Linguistic Approach to "Emotional Effects" of the Present Perfect Progressive 第3回(高濱汐音):A Semantic Network Analysis of the Preposition "by" in Relation to Spatial and Temporal Meanings 第4回(宮腰駿):「フランス語条件法とドイツ語における対応形式に関する一考察」・(川瀬卓):「副詞「どうぞ」の歴史変化再考―<勧め>への変化と定型的表現化―」 第5回(和田尚明):「『認知意味論の原理』におけるSE理論の検証と発展―「時間の文法」から「包括的時制解釈モデルへ」―」・(渡邊淳也):「コルシカ語の単純未来形と迂言的未来形について」 口頭発表については、和田が第18回国際語用論学会で英語の進行形について、第15回国際認知言語学会で英語の現在完了進行形や英蘭語のGO未来形について発表し、渡邊が日本フランス語学会でロマンス諸語の条件法について発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、和田が包括的時制解釈モデルを用いて、「語りのテキスト」における日英独蘭仏語の完了形と未来表現の比較研究を、渡邊が「語りのテキスト」における日仏伊西葡語の過去表現と未来表現の比較研究を行う予定であった。和田が扱った西欧諸語の比較研究は英蘭語の完了形と未来表現であったが、英語の特定表現や日英語比較なども行っているので、研究課題全体としては順調に進んでいる。渡邊はロマンス諸語の条件法(未来表現や過去表現にも関連)の比較研究を行っているうえ、コルシカ語という希少なロマンス系言語とフランス語の未来表現の比較分析を行うなど、これも研究課題全体としては順調に進んでいるといえる。また、研究会も本格的に対面開催に戻ることで、意見交換や質疑応答も活発に行え、お互いの研究にフィードバックもできた。以上から、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究発表に関しては、国内外の学会への応募を積極的に進める予定である。とりわけ、和田は、既に発表が決まっているICAME45(45th International Computer Archive of Modern and Medieval English) Conference(2024年6月、スペイン・ビーゴ)での口頭発表に向けて準備を進めていく。 論文に関しては、和田・渡邊ともに、欧文での執筆を含め、学会誌や国際学術誌への投稿を目指す。 研究交流に関しては、例年通り、テーマが近い研究者や大学院生も含めた定期研究会を行っていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)