Project/Area Number |
22K00660
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
深川 美帆 金沢大学, 国際日本研究センター, 准教授 (00583171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 昭孝 金沢大学, 学術メディア創成センター, 助教 (80513134)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | VR(Virtual Reality) / コミュニケーション / ディスカッション / ビデオ会議 / 異文化理解 / 日本語教育 / 国際共修 / VR / サイバーコミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
本研究は,海外の日本語学習者と日本の日本人学生が,インターネットを介したビデオ会議という形態で社会における諸現象(互いの国の社会問題,世界に共通する課題など)をテーマに自分たちの意見や考えを掘り下げて日本語で話し合うことで,異文化への「深い」学びと対話を促すことをねらいとする遠隔協働学習において、コミュニケーション空間の違いが学習活動におけるコミュニケーションに与える影響を分析し,人と人とのコミュニケーション・コラボレーションに必要な要因を探る。実験的に統制した授業モデルごとの学習活動のデータを分析・考察し,その結果,最適な学習活動とコミュニケーションが促進される環境と教育手法を見出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,遠隔による対話を中心とした異文化理解授業において,どのようなサイバーコミュニケーション環境が最適かを明らかにし,対話と学びを促進する遠隔教育の手法を確立しようとするものである。本研究は,遠隔接触場面における対話を重視した異文化理解教育において,VR(Virtual Reality)とweb会議プラットフォームといった異なる特徴を持つサイバーコミュニケーション空間での実験授業の比較・分析により,学習者の活発なインタラクション(interaction)と異文化についての「深い」理解を促す学習活動を実現するための特徴を明らかにすることを目的とする。これにより得られた結果は,国を越えた国際共修などの協働学習プログラムや言語教育など,今後のDX(Digital Transformation)を見据えた次世代の遠隔教育の新たな形態の提案として社会に還元できる。 令和5年(2023年)度は、令和4年(2022年)度に実施したVR空間での異文化ディスカッションのパイロット調査をもとに、本研究を行う上での環境や設定を決定し、本調査を実施した。本調査では、トルコの学習者と日本の学習者それぞれ3名で日本語によるVR異文化ディスカッションを3回実施し、ディスカッションの様相、VR上でのコミュニケーションの特徴、およびVRディスカッションでの学びについて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年(2023年)度は、令和4年度に実施したVR空間での異文化ディスカッションのパイロット調査をもとに、VR上において本研究を行う上での環境や設定を決定し、本調査を実施した。本調査では、海外共同研究者である川本健二氏(元 チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学教育学部日本語教育学科 助教授)とともに、トルコの学習者と日本の学習者それぞれ3名によるVR異文化ディスカッションを2023年6月に3回実施した。ディスカッションの様子は毎回録画し、その動画を分析し、ディスカッションの様相、VR上でのコミュニケーションの特徴、VRディスカッションでの学びについて、質的に分析した。これらの研究結果は、異文化間教育学会 第45回大会(2024年6月23日,金沢大学角間キャンパス)にて発表する予定である。 また、研究発表に加えて、パイロット調査および本調査の実践を、VRをテーマとするシンポジウムおよび教育者向けセミナーにおいて2件報告した。 共同研究者の東昭孝が、「XR技術の教育・社会貢献 ―メタバースと国際協創―第2回 国際シンポジウム」(2023年12月2日 東北大学片平キャンパス)のパネルディスカッションにおいて「XR技術と国際協力:教育と社会貢献」と題して本研究の実践を紹介した。 研究代表者の深川美帆は、ポルトガル日本語教師会・ミーニョ大学共催「日本語教育セミナー」(2024年3月3日(日)ミーニョ大学)において、「遠隔コミュニケーションと言語学習」と題し、これまでのビデオ会議ディスカッションと本研究のVRディスカッションの教育実践の成果と言語教育における意義について講演した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに行ったパイロット調査および本調査によって、VR空間上の異文化ディスカッションにおけるコミュニケーションの様相と学習活動としての意義を明らかにした。今後は、このVR空間上でのディスカッション学習活動の中でも、特に言語学習者に焦点を当て、VR空間におけるコミュニケーションと言語習得の関係について、さらに研究を発展させていく予定である。具体的には、2024年4月から5月にかけて、海外共同研究者である柳沼朋子氏(ミーニョ大学 人文科学部アジア研究学科 講師)とともに、海外(ポルトガル)の日本語学習者と日本の日本語母語話者による複数回のVRディスカッション活動を行い、JFL環境での日本語学習者の日本語でのコミュニケーションや日本語学習に対する態度について観察・分析し、その結果を学会等で発表することを計画している。
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