歴史学習・遠隔協働学習を通した平和共存のための日本語教育研究
Project/Area Number |
22K00668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松永 典子 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (80331114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NURHAIZAL AZAM 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (10816721)
松岡 昌和 大月短期大学, 経済科, 助教 (70769380)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 平和学習 / 歴史学習 / 内容言語統合学習 / 協働学習 / 国際遠隔協働学習 / 戦争の記憶 / 日本語教育史 / 日本語学習 / 平和共存 / 相互文化理解 / 内容言語統合型学習 / 遠隔協働学習 |
Outline of Research at the Start |
近年の日本語教育研究において、欧米では、歴史学習を通した内容言語統合型学習として平和共存をめざす取り組みが進む。日本では「広義の平和教育」が扱う人権・貧困等へ「内容」が傾斜しており、アジアと日本との相互文化理解を阻む歴史認識の齟齬や異文化理解への視点を欠く。本研究では、アジアの平和共存に向けた言語・文化・歴史学習の関連付けをめざし、日本語学習と歴史学習の統合による相互文化理解のあり方を実証的に明らかにする。この目的のため、日本語教育史、多文化・多様性理解という領域を含む日本語教育の学際性を活かし、歴史学習・日本語学習・国際遠隔協働学習を統合した新しい学習方法を開発し、課題解明をはかる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本語学習・歴史学習を通して日本人学生と日本語学習者の相互文化理解をいかに進めることができるかを実証的に明らかにすることである。こうした実証研究を通して、アジアの平和共存に向けた言語・文化・歴史学習の関連付けをめざしている。そのために、令和5年度は、①文献研究及び歴史教科書の比較分析、②歴史認識の調査、③開発教材を使った交流授業を含む教育実践、④教育実践を分析考察した研究成果の発表を行った。①学習指導要領改訂により、令和4年度より大きく変更になった歴史教科書について分析するとともに、多文化理解の観点から歴史学習の方法の国際比較を行い、平和共存をめざす歴史学習のとるべき方向性を探っている。②日本との戦争の記憶の相克が残るマレーシアを事例とする歴史認識調査は英語・マレー語版の調査票は完成し、調査対象者200名を目標に令和5年度よりオンライン方式の調査を開始し、調査を継続中である。科研メンバーに対する歴史認識調査も同時並行で進めている。③令和5年度も引き続き、マレーシアの日本語学習者との歴史学習を踏まえた交流活動を実施した。④交流授業を通して,日本人学生が言語,文化,歴史認識の差異にいかなる困難やジレンマを抱え,いかにそれらに対処していこうとするのか,令和5年度は令和4年度の実践を分析・考察し発表した。その結果、日本人学生は交流当初,自身の言語能力や知識の不足による不安,戦争の記憶に起因するジレンマを感じながらも,マレーシア人学生の言語調整やフレンドリーな態度,ニュートラルな歴史認識に触発される形で自らも言語調整を試み,協働や相互理解を促進していったことがわかった。今後も引き続き、教育実践及び歴史認識調査のデータを積み重ね、それらを基に歴史認識に齟齬が生じる要因を多角的に分析し、相互文化理解を再構築する視座や平和創造に向けた異文化理解の方法論を提示する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、Ⅰ文献調査・教科書分析、Ⅱ教材開発、Ⅲ協働学習、Ⅳ認識調査、Ⅳ歴史認識の分析、それぞれの項目はその計画に対して進捗の多寡はあるものの、まったく進んでいない項目はない。したがって、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ文献調査・教科書分析、Ⅱ教材開発、Ⅲ協働学習に関しては、今後も実施しながらデータを積み重ねていき分析・考察を進める。Ⅳ歴史認識調査に関しては、調査はオンラインでの実施のため、今後も協力者を募り、進めていく。Ⅵ論文投稿・論文集:論文投稿は、第27回『ヨーロッパ日本語教育シンポジウム』の発表後に行う予定である。論文集については、計画が拙速すぎたため、予定よりは遅れているが、科研メンバー各自が執筆を進め、原稿を集約中である(2024年4月15日現在)。今後、集まった原稿を基に編集作業を進める(6月中)とともに、同時進行で出版助成や研究助成に応募し、2024年度中の助成金の獲得に努め、研究成果の公表を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)