Project/Area Number |
22K00679
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
奥西 有理 岡山理科大学, 教育学部, 教授 (50448156)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 外国人児童生徒 / 異文化接触 / グローバル・コンピテンス / 多文化共生 / 異文化理解 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、外国人児童生徒との日常的な異文化接触が、日本人児童生徒のグローバル・コンピテンスの発達にどのような影響を及ぼすのかについて、質的研究により解明を試みる。グローバル・コンピテンスの育成については、新しい学力として提案されるようになり(OECD, 2018)、持続可能な世界構築のため、異なる文化を持つ他者と関わり共生する力を育むことの重要性の認識が高まっている。身近で現実的に起こっている外国人の子どもたちとの日常的な接触を通して日本の子どもたちにどのような心理的影響があるのかについて実証的解明を行い、日本の学校における子どもたちのグローバル・コンピテンスの発達について明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外国人児童生徒の日常的な異文化接触が日本人児童生徒のグローバルコンピテンスの発達にどのような影響を及ぼすのかについて、質的研究による解明を試みている。幼児期から高等学校までの学齢期に外国人児童生徒や外国とつながる児童生徒と身近な異文化接触を経験した大学生に対し、面接調査を実施した。接触の対象となった児童生徒は、アジアからアフリカまで多言語多文化であった。日本の学校の多文化化とその中で展開している異文化接触の状況が明らかとなった。 調査協力者が異文化接触により抱いた認知・情意・行動について振り返りを行いながら語ってもらった。現在体験をどのように評価しているのかについても考察してもらった。どのような異文化接触がどのような認知行動面情意面の変化につながっていったのかを、接触の起こった年齢別に整理したところ、その特徴が明らかになった。年齢が高くなるほど、特に高等学校においての接触においては、違いへの気づきが明確で、異文化適応についても、スムーズに行われていたが、特に年齢の低い集団においては、違う背景を持つことについて好奇心で捉えたり、異なることへの意識化が進まず普通のクラスメートといった認識を抱きやすいという特徴が見られた。その結果、外国人に対して特別意識を抱かないという基盤が作られるということが明らかとなった。高校生以上の接触では顕著に文化差の意識化と異文化対応という構図がみられるという特徴があった。一方で比較的低年齢での接触の場合も、文化差が明確に意識されている場合もあったことから、個人差なのか接触量の大小という環境設定の差なのかについて引き続き考察を深めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質的分析が進み、異文化接触の結果、どのような心理面(認知情意)行動面での変化が見られるのかが明らかになっている。また接触年齢集団別の特徴も明らかになってきている。論文化は、最終年度に進める計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、論文を執筆し、研究成果を発表する。そのための準備を行う。外国人児童生徒との接触により日本人ホスト児童生徒に育つグローバルな力について概念化・理論化を試みる。最終年度を迎えるため、研究結果については、研究会での発表と学会誌への投稿を行い、社会貢献につながる示唆を提供できるよう尽力する。
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