ICT活用型英語発音指導モデルの開発と学習者の個人差要因に着目した指導効果の検証
Project/Area Number |
22K00683
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
近藤 暁子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (90450139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 大貴 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (90880344)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 外国語教育 / 学習者要因 / ICT / 発音指導 / 言語適性 |
Outline of Research at the Start |
どのような個人差要因が外国語の発音技能習得に影響を与えるのか、それはなぜかについては十分に研究されていない。そこで本研究では、「指導による」発音技能向上に関与する個人差要因(認知的及び情意的側面)を明らかにすることに加え、それらの個人差要因が学習行動に与える影響について明らかにする。また、発音は入試等でさほど重視されていないこともあり、学校現場では日本人に有効な指導内容及び方法が確立されているとは言えない。そこで本研究では、学校の教室環境で実施可能なICTを活用した指導モデルと、学習者の自律学習を促進する学習管理システム(LMS)の開発を行い、その効果を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の研究活動は、研究計画に基づき英語発音指導の効果を検証するためのICT活用型指導モデルのパイロット実験の実施を中心に行った。 研究分担者の所属する教育機関において30名の学生を対象にパイロット実験を実施し、1学期間にわたる発音トレーニングプログラムを提供した。このプログラムでは、動画視聴を中心とした授業外の学習活動と授業内のコミュニケーション活動を連携させた指導を毎回実施し、参加学生に対して指導前後で発音テストを実施した。そのデータから技能の向上を確認した。さらに、学習者の動機づけや性格といった個人差要因の影響を調査するためのアンケートも実施し、それらが学習成果に与える影響を分析した。プログラムの評価を行うために、受講後にアンケートを実施した結果、受講者からは動画視聴を中心とした授業外の学習活動と授業内のコミュニケーション活動を連携させた反転方式の学習方法が高く評価されたが、カリキュラムの構成や動画教材の長さ及び質については、さらなる改善の必要性が示された。また、受講者に今回のプログラムの学習についてのリフレクションエッセイを作成させ、その分析からプログラムで向上が見られた分野と改善が必要だと感じる分野が明らかになった。これらの結果を踏まえて、令和6年度の教材や実施方法の改善を行った。 この年度の研究成果は外国語メディア教育学会で口頭発表され、英語授業研究学会に論文として投稿し現在審査中である。また、発音技能の個人差要因として認知的及び情意的要素を探求するための予備研究も進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗状況は、計画した研究スケジュールに従い、概ね順調に進展している。この研究の主たる目的は、英語発音指導の効果を検証するためのICT活用型指導モデルを開発し、その効果を評価することにある。研究初年度においては、関連先行研究のメタ分析を行い、発音教育に関する重要な指導項目を特定した。これに基づき、研究分担者と共に教材開発を進め、R5年度は教育機関でのパイロット実験を実施した。パイロット実験では、事前に設計した発音テストを用いて参加学生の発音技能の前後比較を行い、統計的に有意な向上が確認された。また、学習者の動機づけや性格といった個人差要因が学習成果に及ぼす影響を調査するためのアンケートも実施した。 さらに、教育機関での実施に際しては、予定通りの参加者数を確保することができ、計画された教育活動を全て実行することができた。これは、計画的な事前の準備と、関係者との連携が効果的に機能した結果である。受講後のアンケートでは、多くの学生が新開発の教材と教授法に高い満足度を示し、特にICTを活用した学習内容が彼らの学習意欲を高め、自主的な学習活動に積極的に取り組む姿勢を促進したと評価された。これらの結果は、研究目的に沿って指導モデルが機能していることを示しており、仮説通りの結果が得られている。 今後、さらに詳細なデータ分析を行い、R6年度は本実験を実施し、研究結果を体系的に整理・公表する計画である。これらの進捗は、研究計画に則して順調に進行しており、今後も引き続き計画通りに研究を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として、まず、現在開発中の発音トレーニングプログラムのカリキュラム及び教材のさらなる精緻化を図る。具体的には、パイロット実験で得られたフィードバックを基に、教材内容の再検討及び改善を行い、より効果的な学習が可能な教育コンテンツを開発し、本実験を実施する。 次に、発音技能向上に寄与する個人差要因のさらなる詳細な分析を進める。これには、データ収集と、先進的な統計分析技術を用いることで、個人差要因と学習成果の関係をより詳細に解明する。また、収集したデータを用いて、個人差要因が発音学習に及ぼす影響に関する理論的な枠組みを構築し、発音指導のための新たなモデルを提案する。 最後に、研究成果をまとめて、国内外の学会やセミナーでの発表を通じて、研究成果の普及を図る。これにより、広範なフィードバックを得て、研究内容のさらなる深化を図ることを目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)