グローバル・シティズンシップと集団間関係性―英語教育産業からの考察を通して―
Project/Area Number |
22K00693
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
森泉 哲 南山大学, 国際教養学部, 教授 (60310588)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 集団間関係 / 集団間イデオロギー / 多文化主義 / カラーブラインドネス / グローバル・シティズンシップ / 集団関係 |
Outline of Research at the Start |
集団間関係の目標概念とされる「グローバル・シティズンシップ」の視点から、集団間関係理論の発展・精緻化を行い、日本社会に根差した概念化・尺度化を試みるとともに、規定因ならびにその効果について社会科学的手法を通して、調査・実験を実施し検討する。さらに、ケーススタディとして、英語教育産業によって実際に異文化コミュニケーションを行っている日本人学生ならびに社会人に、グローバル・シティズンシップを促進する要因について量的・質的研究により検討する。国内外の多文化主義社会の構築に関して、また英語教育のあり方の議論への示唆を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、集団間イデオロギーの新たな類型化・尺度化を試みることも一つの目的としているが、その手始めとして、これまで欧米で使用されている理論・尺度を援用して、グローバル・シティズンシップとの関連を明らかにし、その成果を英語論文として出版した。 具体的には、集団間関係や世界に関する価値観が、地域社会における市民活動を促進するかどうか、またどのような種類の価値観が市民活動を促進するかを調査した研究を報告した。日本の成人450名を対象に、グローバル・シティズンシップ、集団間イデオロギー(多文化主義、カラーブラインドネス、同化)、社会的参加との関連について質問紙調査を行った結果、構造方程式モデリングを通して、グローバル・シティズンとしてのアイデンティティは、カラーブラインドネスおよび多文化主義イデオロギーと正の相関があることが示された。多文化主義は市民的関与と正の関連を示したが、カラーブラインドネスと同化は正の関連を示さなかった。また、グローバル・シティズンシップと社会参加は、個人のウェルビーイングと正の関連がみられた。これらの結果は、グローバル・シティズンシップに対する意識を高めるとともにそれを目指した教育を促すことが、日本社会をより社会的正義をもたらすのではないかと考えられる。 このことから、特にカラーブラインドネスに対する捉え方が日米で異なる可能性が明らかとなり、これまで未検討である集団間イデオロギーの類型化も含めて、今後さらに検討を加えていかなくてはならないことを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は当初の目標通り、これまでの枠組みによる研究を行い、その研究成果を発表することができた。これにより、今後検討を進めていく方向性が明らかとなり、現在尺度項目に関するレビューを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度明らかとなった知見を活かして、新たな尺度構成を検討し、新たな調査・実験計画を立案しているところである。方向性は先の研究で明らかとなってはいるが、今後研究を進めていく中で、研究計画の修正が必要となることも考えられる。その場合は、研究パートナーや関連分野の専門家に意見を求めるなど、研究が発展・推進していくように努力したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)
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[Book] Globalized Identities2022
Author(s)
Iva Katzarska-Miller, Stephen Reysen, M Faucher, Angel D. Armenta, Jessica R. Bray, Michael A. Zarate, Mark Cleveland, Simon Ozer, Milan Obaidi, Nur Soylu Yalcinkaya, Sheila Croucher, Jessica McKenzie, Emily Leighton, Macy Davis, Jose J. Reyes, Satoshi Moriizumi, Courtney Smith, Nadine Etzkorn, & Gerhard Reese
Total Pages
345
Publisher
Palgrave Macmillan
ISBN
9783031046445
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