Project/Area Number |
22K00701
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
長 加奈子 福岡大学, 人文学部, 教授 (70369833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畠 嘉美 石川工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (70581172)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 使用基盤モデル / 第二言語習得 / 認知言語学 / 英語教育 / 事態把握 |
Outline of Research at the Start |
日本語と英語に出来事の捉え方(認知パターン)の違いがあり、これが日本語母語話者が「文法的ではあるが英語らしくない英語」が生じる原因となっている。第一言語習得では、学習対象言語の大量のインプットが認知パターンの習得に必要であることが解明されているが、このモデルを既に母語の認知パターンを習得している外国語学習者に対してそのまま適用することはできない。本研究は認知言語学の立場から、どのようなインプットが外国語の認知パターンの習得に影響を与えるのか、指導によってその習得過程が影響を受けるのかを解明する。研究成果として、認知言語学の知見に基づいた科学的な学習法を確立できると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
認知言語学における使用基盤モデルでは、文法は私たち言語使用者が日常生活で聞いたり読んだりした言語表現の集大成であり、具体的な言語表現から抽出された認知パターンがボトムアップ的に立ち上がるという立場を取る。この使用基盤モデルは第一言語習得において検証され、個々の用法の使用頻度が対象言語の認知パターン習得において重要な役割を果たしていることが明らかにされている 。本研究課題は、第二言語習得、特に日本における英語学習のように、対象言語のインプットが極めて貧弱な外国語として英語を学習するEFL環境において、対象言語のインプットと認知パターンの形成プロセスを明らかにし、EFL環境下における外国語習得において、認知言語学において提唱される使用基盤モデルの適用可能性について明らかにすることを目的としている。 研究初年度である2022年度は、当初の計画に従って次の2点を行った。まず1点目として、調査資材の検討を行うため、英語学習者が統制を行わない多読学習を実施し、それと並行して、学習者の英語の習得過程を把握するものとしてトピックを定めた自由英作文を定期的に収集した。収集したデータは2023年度に分析し、調査資材として自由英作文が適切であるか分析する予定である。2点目が学習者に提示する文法項目の指導法の検討である。2022年度は時制の中でも特に日本語を母語とする学習者が苦手とする「完了形」に焦点を当てた。学習者コーパスを用いて高校1年生から3年生の文法的誤用の特徴を分析し、英語と日本語の「時」に関わる出来事のとらえ方の違いが、完了形の誤用を生み出しているという結論を導き出し、どのような点に注意しながら教授すれば良いかを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は申請書に記載の当初の予定通り、関連分野の先行研究について文献調査を行い、また学習用の多読テキストのデータ入手を行った。また、学習者に提示する指導方法や効果を測定するための調査資材のの検討を行い決定を行った。そのため、概ね順調にスケジュール通り実施できていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は申請書に記載した研究計画に従い、パイロット調査とその結果の分析を行う。パイロット調査では、英語学習者の多読学習に合わせて、研究代表者が開発した教授法を用いて明示的な文法指導を実施する。特に2022年度に開発した時制(完了形)、および関係代名詞、可算・不可算名詞について明示的な指導を行う予定である。さらに学習者のアウトプットを収集し、認知言語学の知見に基づいた教育的介入と対象言語である英語のインプットが、学習者の文法項目の習得にどのように影響しているかについて分析を進めていく予定である。また、パイロット調査の結果に基づき、本調査で使用する調査資材、提示する教授法の改良を行う。
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