Project/Area Number |
22K00733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
若有 保彦 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30451652)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 教師教育 / 教科指導 / 英語授業改善 / 支援のニーズ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、秋田県のように教員の高齢化が進行する地域において、喫緊の課題となっているミドルリーダーの育成のうち、教科指導に焦点をあてたものである。本研究では、授業分析及び研究協議の分析、教員によるリフレクションの3つを主な研究方法とし、3年間(2022年度~2024年度)の授業研究を実施する。最終年度となる4年目(2025年度)は、授業改善の成果の検証と教員が求める支援のニーズ分析を通じて教科指導のミドルリーダー育成のプロセスを明らかにするとともに、その育成を支援するモデルの構築に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は授業及び研究協議を6月13日、9月7日、2月9日にオンライン及び対面で実施した。また、授業提示及び研究協議のリフレクションを含むインタビューを7月4日、10月3日、2月19日にそれぞれ実施した。 さらに、当該教員とのインタビューの中で支援のニーズの一つに言及していた同世代の教員のアドバイスを得るための非公開の授業研究協議の機会を設け、夏休み、冬休み、春休みにそれぞれ実施した。 また、当初の計画で予定していた、教員を志望する学生や若手教員に対して授業に関する指導助言を行う機会を作ることに関しては、教員を志望する学生の模擬授業にフィードバックを与える機会を設定したり、当該教員の勤務校で教員志望の学生が生徒の学習指導の補助を行う機会を複数回作り、その中で適宜アドバイス等を行ってもらうことができた。 研究の1年目に実施した3回の授業に関しては、録画した映像をもとに教師と生徒の発言の文字起こしを行った。次に、文字起こしにより作成されたやりとりの分析を行い、"How did the interactions between teachers and students change over a year?: A case study at a junior high school in Akita"というタイトルの論文としてまとめ、『東北英語教育学会研究紀要第44号』に査読付き研究論文として採録された。この研究は、分析対象となった3回の授業において、日本語と英語の両方を併用して生徒の理解に配慮しながらも、教師の英語使用の割合が徐々に高まっていったこと、ALTの発話が、単なるモデルの提示から、より内容のあるauthenticなやりとりが加わるようになったことなど、教師の授業改善の様子を伝えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、授業及び研究協議、その後の教師のリフレクションを含むインタビューについては、上記の「研究実績の概要」で述べた通り、時期について多少の前後はあるものの、これを予定通り実施することができた。録画した授業の文字起こしについても、2年間で計6回分の授業について、教員志望の学生の協力を得ることができ、当初の計画よりも時間はかかっているものの、現時点で全て行うことができている。これらの点はおおむね順調に進展していると考えている。 次に、論文の執筆に関しては、当初は3年間の授業研究を経た上で行うことを予定していた。しかし、1年目に実施した3回の授業分析を行う中で、この期間での教師の授業改善について論文化することができると判断し、執筆に取り組んだ。また、「研究実績の概要」で述べた、当該教員の勤務校で教員志望の学生が生徒の学習指導の補助を行う機会を複数回作ったことは、当初の予定にはなかったもので、勤務校の教員による提案をふまえ、ミドルリーダーの育成にもつながる要素がある判断して実施した。この部分では当初の計画以上に進展していると考えている。 一方で、教員による授業に関する記録作成に関しては、当該教員が部活動等で多忙となったことから実施を見送ることとした。また、当初の研究計画では、若手~中堅の過渡期にある教員が授業改善のヒントを得るため、授業研究会で授業を提示する機会を設けることしたが、働き方改革の一環で、予定していた形(土日開催の学会の授業研究会での授業提示)での実施は断念した。若手教員に対して授業に関する指導助言を行う機会も上述の理由で作ることができなかった。インタビューの文字起こしも、論文化の作業を優先した結果、手をつけることができなかった。これらの部分は、計画通りに行うことができなかった。 以上の状況を総合的に判断し、「おおむね順調に進展している」という区分を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策に関連して、まず、文字起こしを行うアルバイト学生については、一昨年度(2022年度)の反省をふまえ、教員採用試験の受験が差し迫っていない学生への依頼を継続する予定である。ただし、教員採用試験は近年受験日程が前倒しされる傾向が続いており、学生の負担にはこれまで以上に配慮する必要がある。 また、2023年度に実施できなかった教員のリフレクションの記録の作成については、多忙な状況が続いているため、記録をパソコン又はノートに記入してもらうことは多忙化を一層加速させることにつながり、教科指導ミドルリーダーの育成の支援という本研究の目的と整合しない可能性が高い。代替案として、情報漏洩のリスクがないオフラインの環境でも自動で文字起こしできるICレコーダーにリフレクションを口頭で録音してもらい、そちらをもって記録に代えることで、教員のリフレクション記録作成の負担を減らしたいと考えている。 もう一つ、同じく2023年度に実施できなかった、若手~中堅の過渡期にある教員が授業改善のヒントを得るため、(学会の)授業研究会で授業を提示する機会を設けることについては、通例の土日実施ではなく、夏休みの平日に設定できるよう日程の調整を行いたい。日程調整が不調に終わった場合は、2024年度から当該教員の勤務する学校に若手教員が初任者として着任したため、こちらの新任教員を対象とした授業提示の機会を設ける予定である。この点については、口頭ではあるが新任教員の内諾を得ているため、実施のハードルはそれほど高くないと考えている。
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