Project/Area Number |
22K00753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 一美 関西学院大学, 工学部, 教授 (90435305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木津 弥佳 (田中) ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (00759037)
田 禾 関西学院大学, 経済学部, 教授 (80440379)
梅田 真理 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (80620434)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 第三言語習得 / L3 / 項削除 / 言語間の影響 / 反ラベル付け / ラベル付けアルゴリズム / φ素性一致 / 格 / 緩やかな同一性解釈 / 交差的言語影響 / 非顕在的な要素 |
Outline of Research at the Start |
本研究代表者の前回の科研では、英語を母語(L1)とする日本語学習者は相互読み(緩やかな同一性)の解釈を容認しない(項省略を習得できない)が、日本語をL1とする英語学習者は上記の解釈を忘れていくこと(喪失)が明らかになった。一方、第三言語(L3)習得では、L1が項省略を持つ学習者による項省略喪失のメカニズムのみの解明にとどまっている。本研究の目的は、L3が項省略を持つ学習者による、項省略の喪失を含めた習得メカニズムを、言語学的見地から明らかにすることである。本研究の成果は、L3習得理論の更なる発展に寄与し、教授の際に有益な交差的言語影響、習得段階に関する情報を提供するものとして期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度は先行研究の整理を行った。言語理論では、ラベル付けアルゴリズムの観点からの項削除について、Saito (2016) は以下を主張している: (1)ラベル付けに関し、φ素性一致よりも格が基本的な役割を担っている。(2)格付与は反ラベル付けの役割を果たす。また、英語が項削除を許容しない理由は、LFコピー分析では、(a) の目的語DPの格素性がすでに値を付与されているからであり、(b)の目的語位置にコピーされたDPは値の付与されていない素性を持っておらず、したがってvとの一致関係を持つことができない。英語では目的語削除が不可能であり、主語削除についても同様である。 (a) John always cited [DP his dissertation]. (b) *But Bill doesn’t cite [e]. 一方、日本語はφ素性一致を必要としないvであり、よって項削除が許される。非一致言語である中国語にも項削除があり(Takahashi, 2014)、引き続き、理論的な検証について理解を深める。 L3習得理論については、主に、言語間の影響に関連した問題に焦点があてられている。言語間の影響は何に起因するのか、どのようなタイプか、どのような範囲のものか、という観点から、様々なL3習得モデルが提案されている。Slabakova (2022)は、形態統語の観点から、トリリンガルはL3習得においてL1およびL2の素性を使用できること、機能範疇は全体の素性の束としては再構成されないが、習得は素性ごとに進み、それは異なるキュー(手がかり)によるものであること、各素性の再構成はL3文法において何がインテイクとなるのかに影響するインプットの性質によるものであることを主張している。 方法論については、明確に言語間の影響を観察できるサブトラクティブな言語グループデザインを本研究では採用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で採用する言語理論の枠組みが決定した。また、L3習得の先行研究では形態統語の観点から最新の研究成果に触れ、本研究でこれから得られる学習者データについて、その習得過程で着目すべき点を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
理論的な枠組みの中で、学習者データについて具体的な予測をする。また、実験文を選定し、予備実験の準備にとりかかる。さらに、予備実験をふまえた本実験の準備をすすめ、本実験を実施する。今後2年間で、以下の被験者を対象としたデータを収集する:(1) L1日本語-L2英語-L3中国語(2) L1英語-L2中国語(3) L1中国語-L2英語-L3日本語(4) L1英語-L2日本語(5) L1日本語(統制群)(6) L1中国語(統制群)
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