鉱山地域社会における人的ネットワークからみる豪農商の活動に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22K00859
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 舞 神戸大学, 人文学研究科, 特命講師 (30623813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室山 京子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 客員研究員 (80794239)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 俳諧 / 地域文化 / 地域社会史 / 生野銀山 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、生野銀山を中心とする地域社会史の諸相について、人的ネットワークを軸に明らかにすることを目的とする。このため、生野銀山町や周辺の豪農商の家に残る史料の調査・分析を進める。具体的には近世後期~幕末にかけて生野銀山町に隣接する森垣村に居住していた石川家を主たる調査対象とする。同家が地域の有力者として成長していくために、どのような人的ネットワークを形成していたかに着目し、血縁・生業・文化の三方向からの史料分析を行う。これを通して、複層的に構成されたネットワークが、石川家をはじめとする周辺地域の豪農商の諸活動に与えた影響について具体的に明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、史料の目録作成と、翻刻作業を優先的に行った。①石川家文書のうち、家業に関する史料が収められた箪笥(箪笥E)内の文書について、付番・写真撮影・目録作成を行った。令和4年度の調査で、約600点の史料について付番し、以前からの調査分も含め、全点の付番を終えた。また、史料の撮影を行い、このデータをもとに約200点の目録を作成した。②俳諧関係の書簡を含む資料群(内蔵箱48)の撮影を進め、約50点の撮影を終えた。③石川家日記のうち、最も古い文政9年の日記について、基本的に毎月1回オンラインで研究会を開催し、翻刻を進めた。④①~③の史料および既調査の史料群で確認できる人名を抽出し、関係性を可視化していった。これらの調査・分析により、石川家を取り巻く人的ネットワークや文化的活動の諸相をより具体的に明らかにすることができた。特に書簡類からは、2代当主石川長英が生野地域の文化的活動の中心人物として活動しているほか、周辺地域のみならず広域の文化人とも精力的に交流していることがわかってきた。 これらに加え、⑤石川家と屋形池田家に関する調査のため、屋形区長文書の調査を進めた。すでに目録化されている史料群から関連史料を抽出する作業に加え、未整理資料の目録化を進めた。 以上の史料調査および分析を通して得られた成果については、井上が、生野地域における俳諧文化の広がりとこれに関する石川家の関与について、朝来市健康福祉大学の講座において報告した。また、室山は播磨国屋形池田家と石川家との関係ついて調査分析を進め、その成果を岡山地方史研究会の例会において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大期に調査を行えない時期があったものの、史料の撮影と目録作成は順調に進んでおり、令和4年度は予定より多くの史料を調査することができた。また、令和4年度に刊行予定であった日記の翻刻については、難読部分が多く、当初予定の令和4年度内に翻刻を完了させることができなかった。しかし、翻刻作業を通して石川家の動向や人的関係の情報など、文書群の分析にも資する成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に引き続き、本年度も石川家日記の翻刻と文書の目録化を進める。行動制限の緩和もあり、現地調査を行いやすくなったこともあり、現地での調査を積極的に行い、目録作成を進めていきたい。内容分析については、特に、文化的ネットワークについて明らかにすべく、2代当主石川長英の役割に注目し、長英宛の書簡や俳諧関係資料の分析を進める。また、屋形区長文書・屋形池田家関係文書の調査を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)