患者と医療提供者双方の視点からみた近代地域医療の形成過程に関する研究
Project/Area Number |
22K00866
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Miyazaki Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
黒野 伸子 宮崎学園短期大学, 現代ビジネス科, 教授 (70515957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 寛 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (30612527)
大友 達也 就実短期大学, 生活実践科学科, 教授 (90369497)
黒木 由美 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 准教授 (40737392)
河合 晋 岐阜協立大学, 経営学部, 教授 (20560725)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 近代地域医療 / 西洋医学の受容 / 小寺家文書 / 信玄病院資料 / 患者教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、地域医療の形成過程を「患者」「医療提供者」双方の視点から明らかにし、現代における地域医療の在り方を提言することを目的とする。申請者らはこれまで地域医療に関する歴史資料の所在と内容の確認を進めてきた。研究では、岐阜県大垣市に伝来する「小寺家文書」と愛知県新城市に残る「信玄病院資料」を中心に、「患者」と「医療提供者」が西洋医学受容に如何に寄与し、近代地域医療を形成してきたかを読み解いていく。得られた知見は患者教育プログラムの構築に応用する。併せて明治期の医療関係資料の整理・収集・統合を継続し、社会還元として、貴重な医療遺産を後世に伝えていくためのアーカイブ化、市民に向けた公表を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域医療の形成過程を「患者」「医療提供者」双方の視点から明らかにし、現代における地域医療の在り方を提言することを目的としている。申請者らは2019年8月に岐阜県大垣市に伝来する小寺家文書より日本最古の入院診療明細書を発見し、同年12月には愛知県新城市の旧信玄病院が発行したレセプト原簿、会計原簿等を確認した。本年度は以下の内容で研究を進めた。 ①先行研究整理:近代医療関連の書籍、文献、画像の収集及び整理を行った。整理は「医療提供者側」「患者側」いずれの視点で論じているかによって分類した。(2022年完了) ②小寺家文書の再精査:小寺家文書の見直しを行い、『小寺家文書目録』衛生医療に分類されないものの中にも医療関連の資料がないかどうかの確認を行った。旧所有者小寺登氏の協力の元、検討を加えるに足る資料を得ることができた。書状(書付、領収証)などに医療関連の記述が残されているケースがみられるため、次年度も引き続き継続する予定である。新たな資料の解読は次年度に行うこととした。 ③資料の画像化及び内容の確認:画像化の進んでいない「小寺家日誌」についてスキャンを完了した。 ④現地調査:資料収集地域に赴き、地域の方々にヒヤリングを実施した(一部遠隔会議システムを使用)。 ⑤地域医療を支えた医師の発見:小寺家文書の精査段階で、小寺家家族の執刀医が西濃地域の医療を支えた重要人物であると特定することができた。2024年度にかけてさらに調査を進めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、資料の画像化、ヒヤリング、日誌の分析などを概ね順調に実施することができた。特に、小寺家家族の執刀医(吉益雄太郎氏)が西濃地域の医療を支えた重要人物であると特定することができたことが大きな進展であった。2024年度にかけてさらに調査を進めることとしたが、西濃地域の医療解明に大きな一歩となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は以下の通りである。 ①地域医療に関する因子分析:ICF(国際生活機能分類)による「生活機能モデル」を用いた先行研究の分析を実施する。近代地域医療形成過程において重要とされてきた因子を抽出し、検討する。これにより、西洋医学受容過程を「医療提供者側」と「患者側」との関わりから再検討することが可能であると期待する。 ②日誌解読:小寺家日誌解読(継続) ③社会貢献:研究の小まとめとして、研究成果の公開、報告を実施する。 ◇上石津郷土資料館企画展実施(2024年6月末) ◇大垣市教育委員会主催 歴史講演会(2024年6月末)
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)