The establishment of the Tokugawa Shogunate and the construction of castles during that period
Project/Area Number |
22K00872
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
及川 亘 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70282530)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 公儀普請 / 天下普請 / 軍役 / 夫役 / 無年号文書 / 城郭建設 / 江戸幕府 / 徳川家康 / 天下人 |
Outline of Research at the Start |
慶長・元和・寛永期の公儀普請による城郭建設に関連する史料のうち、研究への活用の進んでいない無年号文書について年次比定などの分析を通じて研究資源化し、それらがどの城郭に関連するものか、さらにその城郭の計画から竣工までの過程のどこに位置するものかを検討する。こうして得られる知見をもとに、それぞれの時点での徳川政権の意思決定の過程、そしてそれらがどのように大名に伝えられ、大名はどのように対応したか、大名相互の関係はどうであったかを明らかにし、徳川政権初期の公儀普請の実態と意義を多角的に考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究に先行して実施した基盤研究(B)「近世統一政権の成立と天下普請の展開―中近世移行期史料の研究資源化を通じて―」(17H02382、研究代表者・及川亘、2017~2021年度)によって『大日本古文書』・『大日本近世史料』等から抽出した公儀普請関係史料史料リストのうち、「吉川家文書」・「小早川家文書」・「益田家文書」の分を対象として、無年号文書の年次比定等についてリストの点検を行った。また佐賀藩重臣家に伝わった「坊所鍋島家文書」(佐賀県立図書館所蔵)について、原本調査を行い、史料画像から佐賀藩祖鍋島直茂・同初代藩主鍋島勝茂等の花押画像の切り出しを行った。これらの作業には研究協力者の協力を仰いだ。 そして上記作業の成果も利用して、以下の論文を発表した。 先ず「「公儀御普請」―現場監督する大名―」(『城郭史研究』41号、2022年12月)は、慶長・元和期に江戸幕府が諸大名に軍役として賦課した公儀普請(城郭建設)について、大名本人の出役状況を大名書状などの一次史料により分析したもので、軍役としての公儀普請における大名本人出役の原則を明らかにするとともに、普請現地における大名相互、または大名と幕府普請奉行の人的関係や、公儀普請における軍役と夫役の関係についても関説した。公儀普請における大名本人の出役は従来あまり注目されてこなかった視点であるが、幕府が大名に賦課する公儀普請の本質に関わる論点として意義がある。 次に「鍋島勝茂の居所と行動について」(『多久家文書の「読みなおし」』、2022年11月)では、佐賀藩初代藩主・鍋島勝茂の全生涯にわたる動静をできる限り一次史料に基づいて跡付けた。公儀普請の一方の主役である大名の居所と行動の確定は、当該期の関連史料(特に書状などの無年号文書)を分析する上でも不可欠の作業である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の公儀普請関係史料リストの点検は、研究実績の概要に記した三つの文書群に留まったが、一方で「坊所鍋島家文書」(佐賀県立図書館)の原本調査を実施し、次年度以降に予定していた同文書の史料画像から文書発給者である鍋島直茂・同勝茂等の花押部分の画像切り出しを完了することができた。本研究の主要な要素である無年号文書の分析の基礎となる文書の年次比定には文書発給者の花押の編年等の作業が不可欠であるが、近世初期の主要大名の一人である鍋島勝茂についても、発給文書の年次比定と居所と行動の把握に役立った。そして、鍋島勝茂の公儀普請における動静を一次史料に基づいて跡付ける作業は、公儀普請における大名の出役状況の分析に結び付いた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は『大日本古文書』・『大日本近世史料』等から抽出した公儀普請関係史料リストの点検を継続するとともに、リストの公開方法を検討する。併せて、本年度に行った鍋島直茂・同勝茂の花押の切り出し画像の成果公開方法についても模索する。 原本史料調査としては、仙台市博物館所蔵「伊達家文書」、高知城歴史博物館所蔵「山内家文書」、熊本大学附属図書館所蔵「松井家文書」等の調査を実施可能な順に進める。 上記の作業や史料調査の成果を利用して、本研究で公儀普請における基本的な課題の一つとして設定している軍役による大名への役賦課と夫役によるそれとの関係について特に論点を深める。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)