Project/Area Number |
22K00894
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
能川 泰治 金沢大学, 人文学系, 教授 (30293997)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 都市下層社会 / 民衆的知識人 / 釜ヶ崎 / オーラル・ヒストリー / / 添田唖蝉坊 / オーラル・ヒストリー / 知識人 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、両大戦間期から高度経済成長期にかけての都市下層社会の動向とそれに働きかけた知識人の活動について、文献史料解読と聞き取り調査の成果をふまえて、都市下層社会を拠点とする社会運動と労働者文化の形成過程を解明し、戦前から戦後にかけての日本のデモクラシーと大衆社会の特質を明らかにする。具体的には、戦間期の東京の都市下層社会を拠点とする社会運動に取り組んだ演歌師・添田唖蝉坊(そえだあぜんぼう)の活動と、一般に日雇労働者集住地域として知られる、戦後の大阪市の「釜ヶ崎」地域における社会運動と労働者文化の形成過程を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、本研究課題における主要テーマの一つである、高度経済成長期の「釜ヶ崎」(以下、カギ括弧省略)における社会運動と労働者文化の形成について成果をまとめるべく作業に取り組んだ。具体的には、釜ヶ崎暴動と釜ヶ崎に生きる人びとのライフヒストリーに関する研究を進展させるべく史料調査に取り組んだ。 まず釜ヶ崎暴動については、前年度に引き続き、新聞記事を多く集めることができた。さらに数度にわたって神奈川県近代文学館に足を運び、添田唖蝉坊・知道文庫に残る、添田唖蝉坊の活動に関する史料を調査した。特に添田文庫に関する史料調査によって、関東大震災で被災してから以後、都市下層社会を拠点とする民衆文化の構築からモダニズム批判へと傾斜していく添田唖蝉坊の内面を理解するうえで、貴重な手がかりとなる史料を発見することができたことは大きな収穫であった。 ただ、前年度と同様に、大学での業務が多忙を極めていたことに加え、元日に発生した大地震の影響で年度後半からは作業が滞ってしまい、結局この年度の研究活動は学会発表を行うまでには至らなかった。しかしながら、歴史科学協議会からオーラル・ヒストリーに関する論稿の寄稿依頼を受けたのを好機として、釜ヶ崎で長年にわたって日雇労働者として暮らしてきた人物からの聞き取りの概要を紹介し、そこからどのような歴史像を再構築できるのかを論じた研究論文を書くことができた。この論文は2024年7月刊行予定の『歴史評論』2024年8月号に掲載される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通りに研究計画を実践できているわけではないので、必ずしも順調とは言えないのであるが、年度末に研究論文を一本書き上げることができたので、「やや遅れている」という評価を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの「やや遅れている」状況を反省し、今年度までの史料調査の成果を、学術雑誌などに発表できるように努力する。
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