Project/Area Number |
22K00930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土屋 洋 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (00644931)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 中国共産党根拠地 / 歴史教科書 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日中戦争下の中国において各勢力が編纂した歴史教科書を取り上げ、それらがいかなる歴史観を提示し、またいかに日本を描いたのかについて、総合的に明らかにしようとするものである。 具体的には、中国共産党根拠地を中心として、日中戦争下の各勢力によって編纂された歴史教科書の特色および全体像を提示し、さらにそれらがいかに戦後の教科書へと道を開いたのかを探る。 本研究によって、文化・教育史の側面から日中戦争史研究に新たな一ページを付け加えるだけでなく、戦前と戦後の歴史教科書の歴史をつなぎ合わせ、日中の歴史認識問題を考える上で長期的な視点を提供することが可能となろう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日中戦争下の中国において各勢力が編纂した歴史教科書を取り上げ、それらがいかなる歴史観を提示し、またいかに日本を描いたのかについて、総合的に明らかにしようとするものである。とりわけ、本研究では、中国共産党(以下、中共)根拠地で編纂された歴史教科書を中心として検討を進める。 そこで、第二年度となる本年度は、第一年度に引き続き、史料調査・蒐集を継続実施した。なかでも、台湾で主に日本統治時代の史料を収蔵する国史館台湾文献館を訪れ、同館所蔵の歴史教科書を中心に史料調査・蒐集を行い、これより、戦中・戦前期の台湾で用いられていた歴史教科書のほぼすべてについて蒐集することができた。 また、本年度は、第一年度に蒐集した中共根拠地の歴史教科書についての分析を進め、「資料紹介:中国共産党政権が編纂した最初の歴史教科書:台湾法務部調査局所蔵資料について」と題して、本研究成果の一部を公表することができた。 さらに、本年度は、「中国共産党政権が編纂した最初の歴史教科書―台湾法務部調査局所蔵資料について―」と題して研究報告を行うことができ、本研究の成果の一部を社会に還元することもできた。 この他、本年度は、国際研究集会「成熟する台湾の教育―歴史教育を中心に―」を名古屋大学において開催することもでき、台湾で歴史教科書の編纂に携わる識者を中心として研究者を招へいし、本研究に係る学術交流ならびに成果の社会への還元を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、第二年度となる本年度において、第一年度に蒐集した中共根拠地の歴史教科書についての分析も並行して進め、その成果を一篇の論文にまとめる予定であった。 しかし、第一年度に新型コロナウィルス感染症の影響によって、台湾での資料調査の実施が遅れ、年度末になってようやく調査を実施できた。それゆえ、そこで見出した史料について、史料紹介を執筆し、公表するまでには至らなかった。 そこで、本年度は第一年度から持ち越しとなっていた史料紹介の執筆にまず着手し、それを完成し、公表することができた。しかし、本来本年度に予定していた史料の分析を進め、その成果を一篇の論文にまとめることについては、第一年度の遅れが本年度に影響したため、また一部史料の入手が遅れ、史料の分析に遅れが生じたため、達成することができなかった。 この他、本年度は、国際研究集会を開催することとなったため、本来予定していた論文にまとめることについては、その予定に一部遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、本来、本年度に予定していた一篇の論文にまとめることについては、次年度に持ち越さざるをえなくなった。 しかし、本年度に一部史料の入手が遅れ、史料の分析に遅れが生じたものの、すでにそれらの史料の入手を終え、分析の見通しもおよそ立っている。したがって、執筆に着手する準備はすでにほぼ整っている。 また、本年度は、国際研究集会を開催することとなったため、本来の予定に一部遅れが生じたが、第三年度にこうした国際研究集会の開催等について、目下のところ、予定はない。 さらに、第三年度には補足的な史料調査を実施するために台湾への出張を予定しているが、研究活動の多くはこれまでに得た史料の分析と論文の執筆にあてる予定である。 そこで、第三年度には、本来第二年度、第三年度にそれぞれ一篇ずつ公表を予定していた論文を、より体系性を高めた一篇として執筆・公表することとし、これによって本研究を完成させることとしたい。
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