19世紀末-20世紀初中国の感染症流行の構造解析―感染症流行年表の制作を中心に―
Project/Area Number |
22K00937
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
多々良 圭介 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 奨励研究員 (60780799)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 医療史 / 感染症 / 東洋史 / 中国 / 台湾 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、太平天国の乱の終息から辛亥革命に至る中国、特に広東・福建・台湾という感染症の流行地域を対象に、公益財団法人東洋文庫所蔵の医療史関連の資料、中でもMedical Reports(『海関医報』)を活用し、GISデータと連動した感染症年表の作成を行う。本研究は、交通網、通商の発展で海外から中国へ流入した感染症が内部でいかに感染拡大したか、その長期的な影響を俯瞰する試みとなる。 本研究の進展により、中国・日本を含む東アジアの感染症流行・拡大の長期的な影響を、具体的に示すことが可能になると共に、感染症への防疫体制の構築にも資するものとなるだろう。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度(2022年度)において、報告者は年表の枠組み・解題作成、及び地域社会における医療制度・感染症対策の実態を解明するため、以下の2点について研究を進めた。 (1)1870年から1885年間のMedical Reportsを使い、広東(広州・海口・汕頭・北海)、福建(福州・廈門)、台湾(淡水・鷄籠/基隆・台湾府・打狗/高雄)における海関医官の活動を中心に、海関医官・清朝地方官・地域社会がいかなる関係を取り結んでいたかを検証した。海関医官は赴任地での活動を行う上で現地に病院を作る必要があったが、その際に地方官や地域社会有力者からの援助(資金面・土地確保等)を受けた。これにより、海関医官は現地滞在の西洋人治療、衛生環境の調査、検疫等の業務を進めることが可能となった。その一方で、中国人・原住民の治療や、気候変動の調査と入港する船舶への災害通達、清仏戦争時における負傷者治療や清朝軍兵営の衛生環境改善を含む、地域社会の行政運営にも関与した。これらの医官の活動は、善堂(中国人運営の慈善団体)との競争を生き抜くため、地方官や地域社会との協働を示すものであった。この内容は、東洋文庫英文紀要(Memoirs of the Research Department of the Toyo Bunko)に論文として掲載された。 (2)Medical Reportsは西洋医学による知識に基づき、東アジアで流行した感染症・疾病を分析している。しかし、当時の感染症の実態を解明するには、西洋医学が導入される以前より同地域に存在した医学、特に中国伝統医学はいかに分析していたかの検証・比較も必要となる。そのため、報告者は杏雨書屋や東洋文庫が所蔵する中国伝統医学典籍の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、中国・台湾の所蔵機関における海外での資料調査に大きな支障が生じ、初年度に当たる2022年度も海外調査を進めることが出来なかった。以上が「やや遅れている」と判断した理由となる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究成果に基づき、2023年度は以下の研究を進めることが可能と考えている。 (1)Medical Reportsは、対象範囲は海関設置地域(中国沿海部、台湾)や周辺諸国(日本、朝鮮)を含め非常に広く、また高い権威性を有する資料である。しかし、年表作成には同時代の中国側の資料、上述の伝統医学典籍・地方志記載の疫病の記録・地方官の官箴書・上奏文を含む档案資料等、中国側の資料との比較が必要となる。 (2)中国側の資料と同様に、Medical Reports以外の外国人が残した資料、特に布教目的で中国へ来訪した宣教師の報告書との比較を行う。 これら2点を中心に研究を行うことで、中国における感染症流行とその拡大を具体的に解明することが期待される。また、2023年度は海外渡航の制限も緩和される見込みから、所蔵機関における海外での資料調査を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)