軍事と男性性の関係をめぐる基礎的研究ー啓蒙の世紀フランスにおける軍隊社会の諸相
Project/Area Number |
22K00938
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
芹生 尚子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (70783702)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | アンシアン・レジーム / 軍事的男性性 / 啓蒙の世紀 / 兵士 / 規律 / 将校 / 民衆 / 絶対王政 / 男性性 / 軍隊 / ジェンダー / 18世紀 / フランス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、男性性の歴史という観点から、18 世紀後半の軍隊社会の諸相を分析する。 まず、軍隊の改革をめぐる言説のなかで奨励される兵士像の輪郭を明らかにし、それがどのようなレトリックによって男性的なものとして提示されたかを改革者の著作から明らかにする。次に、兵士にとって、軍隊がどのような場だったのかを考察するために、兵士をとりまく人間関係とくに兵舎のなかで織りなされるホモソーシャルな関係に光をあてる。最後に、軍隊のなかで女性かどのように位置づけけられたのかを考察するために、軍隊とその周縁に生きた女性たち、とくに女性兵士の経験を跡付け、 また、彼女たちを排除しようとする改革者たちの言動を分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18世紀後半の軍隊がどのように男性の経験を形作ったか、男性に関してどのような理想やモデルを醸成したのかを明らかにする。今年度、パンデミックのために数年来制限されていた海外渡航が可能になったことを受けて、夏期に2週間現地での調査を行った。フランスの国防省の文書館でデジタル化されていない手稿文書(将校のメモワールまた将校の年金申請ファイル)を調査しまた隣接する同省の図書館また国立図書館において文献調査を行った。軍事に関する研究を「ジェンダー化」する観点は、近現代史研究においては徐々に顕著になっている。近世に関しては比較的研究が少ないだけに、軍事史の研究成果を渉猟しながら、多様な地平のジェンダー研究者と対話しながら試行錯誤することが必要である。今年は、フランスのジェンダー研究の分野で活発に活動している18世紀研究家ウルリケ・クランプル氏(トゥール大学教授)と氏の専門とされる外国語の学習とマスキュリニティの関係について意見を伺う機会があったが、本研究にとっても有益であった。今年度の下半期は健康上の理由で思うように研究を進められなかったが、来年度の研究の展開につながるような基盤をつくることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時には、パンデミックにより海外渡航が制限されていたために、現地調査の予定を2年目に予定していた。今年度それが可能になったためまた今後の不測の事態に備えて現地調査を行った。多くの史料が残っていることが分かり成果があった。その後、健康上の理由(怪我)のために思うように研究に従事することができなくなったが、すでに刊行されている史料やデジタル化されている文献については今後徐々に読み進めていくことで来年度以降挽回することができると考えおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
女性と軍事というテーマについて貢献のあるフランスの歴史家と意見交換の機会を持ち、オ ン・ライン講演を準備をすすめていく。また収集した文書を分析をすすめ、経過を研究報告にまとめる。地方の文書館において軍隊の日常生活を物語る史料を調査する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)