第一次世界大戦中のハプスブルク君主国における国家ー住民関係
Project/Area Number |
22K00953
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
桐生 裕子 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (10572779)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ハプスブルク君主国 / 中欧 / 東欧 / 第一次世界大戦 / 戦時経済 / 食糧 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、第一次世界大戦がハプスブルク君主国と住民の関係にいかなる影響を与えたか、検討する。具体的には大戦中の食糧供給システムを取り上げ、住民の戦時体制への関与も視野に入れて、大戦が君主国と住民の関係に与えたインパクトを明らかにする。そして、従来ナショナリズムに注目して考察されてきた君主国崩壊と新国家建設の過程を、大戦中に生じた君主国と住民の関係の変化という視点からとらえ直すことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は、第一次世界大戦がハプスブルク君主国と住民の関係にいかに影響したかを検討し、そこから君主国崩壊と新国家建設の過程を考察することにある。具体的な分析対象としては、食糧供給システムを取り上げる。本研究では、食糧供給システムを事例に君主国と住民の関係の変化を明らかにするために、中央(国家)レベル、地域レベルの動きの双方に目をむけ、食糧供給体制の構築、実際の運用、住民の評価などを検討することが具体的な課題となる。 研究初年度の2022年度は、まず先行研究の整理を進めた。近年の研究は、食糧供給を含め戦時経済体制の官僚主義的性格、機能不全を強調し、それに対して住民が強い不満を持っていたことを強調する傾向にある。しかし、同時代の関係者による研究は、戦時経済体制に住民がさまざまな形で関与していたことを指摘しており、近年の研究の評価が適切ではないことが明らかとなった。同時に、食糧供給体制がそもそもどのような構想に基づいて構築され、実際に運用されていたか、これまで十分に検討されておらず、この点を解明することが本研究の重要な課題となることも判明した。 このような先行研究の整理で得られた知見を踏まえて、次年度以降本格的な史料分析を進めるため、2023年春には史料調査のための出張を実施した。そして、史料の所蔵状況などを確認し、2023年度以降の史料収集の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初2022年度の夏に海外での史料調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症に関連する検疫措置などにより、依然として渡航が困難であったため史料調査を取りやめた。2023年春には、史料調査を実施することができたが、史料調査の時期がずれたために、当初予定していた研究課題に沿った成果はあげることはできなかった。2023年度以降は史料調査等も予定通り実施できることが見込めるため、2022年度の遅れをできるだけ早く取り戻し、当初予定していた課題を遂行できるよう研究を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記載したように、2022年度に先行研究の整理を進めた結果、食糧供給体制がそもそもどのような構想に基づいて構築され、実際に運用されていたか自体が、これまで十分に検討されておらず、この点を解明することが本研究の重要な課題となることが明らかとなった。 このような先行研究の整理で得られた知見を踏まえて、2023年度夏と春に史料調査を実施し、(1)オーストリア国家文書館に所蔵される食糧供給にかかわる中央省庁(内務省、農務省、食糧局等)、および軍部の文書史料、(2)チェコ共和国国民文書館に所蔵されるボヘミア総督府、農務省、穀物局の史料を閲覧・収集し、その分析を進めることによって、君主国の食糧供給体制構想と運用の実体を明らかにする予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)