Project/Area Number |
22K01015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03070:Museology-related
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Research Institution | Morioka College |
Principal Investigator |
吉田 泰幸 盛岡大学, 文学部, 准教授 (20585294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ERTL JohnJosef 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 准教授 (30507380)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 先史時代 / 縄文時代 / 復元イメージ / 建物復元 / 景観復元 / 野外博物館 |
Outline of Research at the Start |
先史時代という遠い過去を復元することは、手がかりが少ないため非常に困難だが、先史時代の人を描くこと、建物を復元すること、集落景観を復元することは、世界各地の博物館展示、野外博物館である遺跡公園において日々行われている。本研究はそれら先史時代の人・建物・景観の復元展示を匿名の制作物としてではなく作品として捉え、それぞれの「作品」同士がどのような影響関係にあったのかを明らかにする「復元の文化史」の構築と、現在進行中の復元実践のプロセスに関する調査からなる。本研究はケーススタディとして最適な縄文時代の復元をとりあげ、先史時代復元に潜む諸問題を明らかにし、博物館における先史時代復元の将来を展望する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は縄文時代の人・建物・景観復元の歴史学的・系譜学的調査によって「復元の文化史」を構築し、併せて現在進行中の復元実践当事者へのインタビュー調査をもとにした質的調査によって先史時代の復元プロセスを明らかにすることを目的としている。先史時代の中でも日本列島の縄文時代に着目し、A)縄文時代の人・建物・景観復元に関する「復元の文化史」の構築、B)復元実践の当事者へのインタビュー調査による復元のプロセスの解明を目指す。 2023年度はA)の縄文時代の人・建物・景観復元に関する事例収集の充実、分析、「復元の文化史」の構築および深化に注力した。特に、人・建物復元の文化史構築に進展があった。本年度の分析では、特に日本における考古学黎明期、19世紀末から20世紀初頭にかけての人の復元画について、同時期の欧州・北米で広く流布していた復元画が、翻訳書等を通じて日本の出版物に頻繁に使用/借用されていることを明らかにすることができ、このトレンドが戦後も継続するのではないかとの見通しを得ることができた。次年度以降にさらに分析を進めて論文等にまとめる予定である。 本年度の成果公表は以下のとおりである。復元と民族/人類学との関係の分析は商業誌に寄稿した考古学と人類学の関係史についてのチャプター執筆に反映された(1件)。復元も大きな役割を果たしている縄文時代イメージとスピリチュアリティ、思想史の関係についての論文を発表した(2件)。本研究開始前から継続して行っている建物復元プロセスに関するエスノグラフィー調査の論考発表を継続した(1件)。また、建物復元の甲信越地方における基礎的データ集とその分析結果を紀要掲載論考として発表した(1件)。これら5件のうち3件を日本語で、2件を英語で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A)縄文時代の人・建物・景観復元に関する「復元の文化史」の構築においては、人の復元事例は研究代表者が、建物の復元事例については研究分担者がそれぞれの過去の科研費研究等によって収集をある程度進めていたが、本研究では両者に加えて景観復元の事例収集を開始し、それぞれの充実を図っている。人復元の文化史においては、学問分野としての考古学の黎明期である19世紀末から20世紀初頭における民族誌学の動向とも連動したポピュラーイメージの形成と流布の様相について、一定のみとおしを得ることができた。建物復元の文化史においては、建物復元の基礎的データ集を刊行する際に、地域ごとにテーマを設定して分析を進めている。遺跡公園における景観復元は比較的新しい現象であり、その事例の収集と調査先の選定を進めている。 B)復元実践の当事者へのインタビュー調査は、2023年度はA)に注力したため行わなかったが、2022年度までの調査結果は論文等の出版物に反映されている他、更なる調査対象はリストアップ済みであることから、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も人・建物・景観復元に関する事例収集のさらなる充実を図る。復元実践の当事者へのインタビュー調査を本年度実施しなかった分、来年度は複数実施する予定である。人復元の文化史に関する研究発表、論文執筆を進める。建物復元プロセスに関するエスノグラフィー、建物復元の基礎的データ集の英語による発表も継続する。本研究のテーマに関連した共同研究会の成果物である書籍の編集を研究代表者・分担者で進めており、当該書籍の刊行を目指す。
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