Project/Area Number |
22K01059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中條 曉仁 静岡大学, 教育学部, 准教授 (40432190)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 中山間地域 / 寺院問題 / 檀家家族の空間的分散 / 寺族 / 寺院の統廃合 / 寺院の無居住化 / 檀家 / 寺院 / 廃寺 / 農村地理学 |
Outline of Research at the Start |
人口減少の著しい中山間地域では、家族や地域社会とともにあった寺院が消滅するという「寺院問題」が出現している。寺院とそれを支える檀家との関係は、檀家家族の転出に伴う空間的分散居住により希薄化が進んでいると考えられる。本研究は檀家の行動とそれに対応する寺院の行動に注目し、寺院問題が生じる要因や機構を明らかにする。こうした寺院の動態は、空間性や地域性に依拠した地理的事象であり、経験的に理解されてきた寺院問題を学術的に可視化することが可能である。具体的には、寺院問題を時系列に4段階に区分してとらえる枠組みに基づき、各段階の問題が生じている地域を事例に取り上げ、寺院問題が出現するメカニズムを実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中山間地域における寺院問題の内容を住職や檀家の動向に基づいて、時系列に4段階に区分し、それぞれの段階を研究期間各年度において実証する方針である。このうち令和5年度では、専任住職とその家族が不在となる「寺族の寺離れ」のプロセス,および無居住になった寺院の実態と管理の実態を明らかにした。当該年度では、寺院の運営を支えてきた檀家が地域社会(集落)の人口減少と高齢化により実質的に減少し、寺院そのものの運営が困難となったために専任住職の後継者が不在となり、本人の高齢化や死去により専任住職とその家族(寺族)が不在になってしまう「寺族の寺離れ」のプロセスと「寺院の無居住化」について明らかにした。これをふまえて、無居住化した寺院の現状把握と管理の実態についても調査を進めた。そこからは、専任住職に代わって代務住職が年中行事や檀家の葬祭儀礼を担っていること、寺院に近接して居住する地元の檀家によって寺院の建造物や境内等が管理され、年中行事も同様に運営されている実態がわかった。しかし、地元に在住する檀家の高齢化と減少のために管理が限界化していることも明らかとなり、年中行事も行われなくなり、かつ建造物の老朽化とも相まって境内が荒廃する寺院も出現していた。 また、上記の研究に加えて寺院の無居住が長期に及んで代務住職も不在となった寺院の「無住職化」と、これに続く寺院の消滅についても令和6年度研究の事前調査として一部実施した。具体的には、人口減少が進む山梨県や広島県,秋田県に所在する寺院を対象とし、代務住職や檀家による寺院の管理、年中行事の維持の実態を明らかにした。令和6年度も人口減少に伴って廃寺となった寺院のプロセスについて、檀家側の対応を明らかにすべく調査を継続する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度研究では、中山間地域の高齢社会化に伴う檀家の減少によって運営が困難となって、住職やその家族が不在となった「無居住寺院」の実態と無居住化のプロセスを明らかにすることを目標とした。具体的には、山梨県や広島県の中山間地域、秋田県の都市や中山間地域に所在する無居住化した寺院の実態を現地調査によって明らかにすることができた。しかし、これらの研究成果を学会等での口頭発表や論文発表に結びつけることができなかった。 当該年度における現地調査等の研究目標については一応達成できたといえるが、研究成果の学会等における口頭発表や論文発表が進められなかったため、本研究は「やや遅れている」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の研究方針は、寺院の統廃合の実態に関する研究を推進することとなっている。すでに令和4~5年度において、寺院統廃合の件数などの一般に公表されていないデータの収集に取り組んでいる。他寺院に統合された「合寺」、あるいは単独で解散となった「廃寺」の現状については、これまで実施した調査対象地域における事例を改めて探索し、調査項目と分析項目の整理を行っている。 さらに、最終年度となる令和6年度においては「廃寺」という宗教法人の解散手続きがとられた寺院の調査に加え、この手続きには至らず代務住職すらいなくなって無住職となって荒廃し、寺院としての活動が行われなくなっている「青空寺院」の実態についても調査を進める予定である。青空寺院は「不活動法人」とも呼ばれ、宗教法人格を保持しながらも法人の活動基盤となる寺院の建造物や境内が荒廃し、活動が行われていない寺院を指す。これらの寺院を放置すると、第三者によって不当に取得され、脱税やマネーロンダリングに悪用される危険性がある。しかし、その実態については、まったくと言ってよいほど実態が把握されていない。本研究では,これまで蓄積されてきた寺院調査のノウハウを応用し,地理学に基づく調査手法の開発を試みる予定である。
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