Project/Area Number |
22K01065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
池 俊介 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30176078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 仁康 筑波大学, 人間系, 名誉教授 (20203086)
田部 俊充 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20272875)
山本 隆太 静岡大学, 地域創造教育センター, 准教授 (80608836)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 地理教育 / フィールドワーク / コンピテンシー |
Outline of Research at the Start |
中学校・高校の地理教育ではフィールドワークの実施率は低い。こうした状況を打開するためには、フィールドワークの実施方法や育成すべきコンピテンシーの内容を明確に提示するとともに、フィールドワーク普及のための具体的な戦略を検討し実施する必要がある。 そこで本研究では、フィールドワーク研究・実践の先進地域であるヨーロッパ諸国・アメリカ合衆国を対象とした現地調査を実施し、収集した資料・情報の分析をもとに、小学校~高校までのそれぞれの発達段階に即したコンピテンシー重視のフィールドワーク教材の開発を進める。フィールドワーク・イベントの試験的な実施を通じて普及戦略の実現を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小学校から高校までのそれぞれの発達段階に即したコンピテンシー重視のフィールドワーク教材の開発を進めるとともに、フィールドワークを普及させるための具体的な戦略を検討し、イベントの試験的な実施を通じて普及戦略の実現を図ることを目的としている。 2年度目に当たる令和5年度は、前年度に行った諸外国におけるフィールドワーク研究の動向分析をもとに具体的なフィールドワーク教材を開発し、それを試験的に実施することに重点を置いた。具体的には、日本地理教育学会主催のエクスカーションを研究代表者が中心となって2回にわたって実施した。まず、参加者が地図や資料を見ながら関心をもった内容について議論し、その内容を現地で確認しながら参加者同士で検討する「対話型エクスカーション」を5月14日に早稲田大学周辺で実施した。案内者が「問い」を発し、その問いについて参加者が意見を交わしながら考える新しいタイプのエクスカーションは参加者に好評であったが、どこまで資料・情報を提供し、何を案内者が説明すべきかについては課題が残った。また、「対話型エクスカーション」の実施は現実的には難易度が高いことが判明したため、名称も「参加型エクスカーション」に変更することにした。 その後、8月20日に仙台市中心部において「参加型エクスカーション」を実施した。このエクスカーションでは「仙台市市街地における地形」をテーマとして事前に設定し、案内者の説明を最小限にとどめ、参加者同士で景観観察をもとに地形の状況や意味を考える活動を重視した。エクスカーションの目的や全体像についての案内者からの解説を最後に位置づけ、参加者同士の意見交換を重視したため、参加者からは通常のエクスカーションとは異なる意義を認める声が多く聞かれた。 これらのエクスカーションの内容については日本地理教育学会の学会誌「新地理」に投稿し、研究の成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、見学型フィールドワークの1つであるエクスカーションに焦点を当て、これまで検討を進めてきたフィールドワークを試験的に実施することに力点を置いた。その結果、案内者が発する「問い」を重視するとともに、参加者同士の意見交換を促す「参加型エクスカーション」に一定の効果が認められることが明らかとなった。見学型エクスカーションは案内者の説明が中心となるため生徒の学習姿勢が受動的となる場合が多いが、「参加型エクスカーション」の実施により生徒の主体的な参加が期待できることを明らかにできた点は今年度の大きな収穫であった。今後は、高校生や中学生など参加者の発達段階に合わせた「問い」の内容や方法を検討する必要があり、この点については次年度に向けての課題として残された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は見学型フィールドワークである「参加型エクスカーション」を実施したが、次年度は生徒の地理的コンピテンシーを育成する上で最も有効と考えられる探究型フィールドワークについても、これまでの研究成果をもとに試験的に実施する必要がある。したがって、探究型フィールドワークの内容や実施方法について具体的な検討を行うとともに、小学校から高校までの地理教育におけるフィールドワークの普及戦略についても考察を進める予定である。
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