Project/Area Number |
22K01081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
田所 聖志 東洋大学, 社会学部, 教授 (80440204)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 資源開発 / 社会変動 / 自然災害 / オセアニア |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、2008年頃から天然ガス開発が行われてきたパプアニューギニア・フリ社会において見られる環境変化と社会変動や自然災害に対する住民独特の捉え方を明らかにし、天然資源開発に対する地域住民の対応過程の理論化を試みることである。その上で、自然環境・社会・人への負荷を調整しながら天然資源開発を円滑に行う視点と方法の提示をもくろみたい。現地の人々の語りには、天然ガス開発、自然環境と経済状況の変化、さらには近年頻発する自然災害(干ばつと地震)を結びつけるものが多く見られる。こうした語りの種類や形態、環境と経済状況の実態を明らかにし、語りに現れる事柄の関連性についての現地の論理を調査する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目は、天然資源開発に対する地域住民の対応過程の理論化を目指して、文献の収集と購読、これまでに収集した調査データの整理・分析、海外研究者への訪問と情報交換、調査地の知人とのオンラインでの情報交換という4つの研究活動を実施した。なお当初予定していた現地調査は治安悪化のため実施できなかった。(1)文献研究としては、American Anthropologist誌、American Ethnologist誌、Cultural Anthropology誌、Oceania誌を中心とした学術雑誌に掲載された関連文献ならびに関連書籍の購読を進めた。また「ポストコリエ」紙や「ザ・ナショナル」紙といったパプアニューギニアの現地の新聞記事に掲載された関連した記事を収集して読み進めた。(2)収集した調査データの整理・分析としては、インタビュー資料の文字化と数量データの図表化を行い、研究論文として発表するための準備作業を行った。(3)海外研究への訪問と情報交換としては、オーストラリア国立大学、ディーキン大学、ラトローブ大学で関連する研究を行っている研究者を訪問し、情報交換を行った。(4)調査地の知人とのオンラインでの情報交換としては、比較的短時間の情報交換を行い、現在の調査地の状況を知ることができた。この活動は、主に今後、現地調査を行った際に円滑にスタートするための準備のための活動と位置づけている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年6月に外務省危険情報において、治安悪化のため調査地が含まれるヘラ州の危険レベルが「レベル2」に引き上げられた。このため当初予定していた現地調査の実施が不可能になった。危険レベルの引き下げまでには時間を要することが予想されるため、昨年度から検討を始めていた研究計画の修正をより具体的に行うことにした。修正した研究計画は次の通りである。 (1)調査地の出身者で近年に首都ポートモレスビーに移住した人々や短期滞在中の人々へのインタビューを計画する。(2)現在までに収集した資料で分析を終えていないデータの分析を進める。(3)現在入手できているデータに基づいた研究報告の発表準備に注力する。(4)関連するテーマの新聞記事や雑誌記事、関連会社の報告や統計資料などをデータとする文献研究を計画する。(5)調査地の治安状況が好転した場合に備えて再訪問する準備を整えておく。(6)関連する調査研究を行う海外研究者を訪問をすることによって研究内容の深化を目指す。 上記のうち、(1)については現段階ではまだ具体的な計画を立てられていない状況である。(2)(3)については予定通り進めることができた。(4)については研究計画を立て、関連する文献の収集を進めている。(5)については定期的に調査地の友人との連絡を行い、交流を継続させる活動を続けている。(6)については8月にオーストラリアの関連研究者を訪問し情報交換を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当面の間、当初予定していた現地調査の実施が不可能であるため、研究計画を立て直すことにした。現地調査計画、考察の進め方、研究発表の3つの点から研究の推進方策をまとまる。(1)現地調査計画については、当初予定の調査地であるヘラ州での現地調査を変更し、ヘラ州の出身で首都ポートモレスビーに移住した人びとや短期滞在中の人々へのインタビューを計画する。(2)考察の進め方については、現在までに収集した資料、関連する民族誌的研究、関連する新聞や雑誌記事、関連会社の報告や統計資料という現在の状況で入手できる資料を集め、本研究の目的である天然資源開発に対する地域住民の対応過程の理論化へ向けた考察を行う。また本研究の主流は海外研究者によって行われているため、関連する研究者との交流を目的として海外学会への参加や研究者訪問を積極的に行い、 考察の深化を目指す。(3)研究発表については、3年目の本年度は研究報告の発表準備により力点をおいた研究活動を行う。
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