Project/Area Number |
22K01083
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高橋 五月 法政大学, 人間環境学部, 教授 (50791084)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 海 / サステイナビリティ / 不確定性 / 漁業 / 福島 / 共生 / 寄生 / 文化人類学 |
Outline of Research at the Start |
処理水の海洋放出開始を2023年4月に控え、福島の海に生きるものたちは今後どのように不安定で不確実な海とともに生存するのだろうか。本研究は、福島県及び茨城県の沿岸水域を中心に、人間と人間以外のものの関係性を探る民族誌的調査を通じて、問題を抱える環境で「ともに生きる」ことについて、その実践と意味の理解を深めることを目的とする。具体的には、海洋科学や環境哲学の成果も視野に入れながら、沿岸漁業者及び海洋生物がどのように共生、協働、対立しながら生存し、またその関わり合いに放射性物質がどのように介入するのかを明らかにし、原発事故後の海とともに生きることの課題と可能性を文化人類学の立場から提示したい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、福島第一原発事故後の海を事例に、不確定で不安定な海とともに生きるとはどのような実践であるのかを文化人類学的に考察することが目的であるが、2年目である2023年度は、日本国内およびアメリカとカナダにおける現地調査とマルチスピーシーズ民族誌関連の文献調査を進めた。特に、2023年8月から開始された処理水の海洋放出に関する調査および「ともに生きる」というテーマと「寄生」との関連性についての考察を深めることができた。日本国内の現地調査では、茨城県・福島県の漁業者・漁業関係者への聞き取り調査に加え、廃炉資料館、水族館、寄生虫館、科学博物館にて参与観察および聞き取り調査を行うことができた。また、米国シアトルとカナダトロントの水族館で実施した参与観察では、水生生物展示をとおした海の持続可能性の探究方法について有益な知見を得ることができた。加えて、2023年度は投稿論文2本の出版と国際学会における2度の口頭発表を通して、これまで実施した現地調査および文献調査を踏まえた研究成果の発表をすることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、本研究課題の2年目として計画していた研究目標をおおむね達成することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、処理水の海洋放出開始から2年目を迎えて、処理水と共に生きることの実践や議論に関する調査研究をさらに進める予定である。また、「寄生」という観点をとおして不確定な海と「共に生きる」とはどのような実践であるかについて考察をすすめ、その結果を随時学会およびワークショップ等で発表する予定である。
|