An Anthropological Study related to Resource Use Culture at Tidal Flats in Ryukyu and Insular Southeast Asia
Project/Area Number |
22K01097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Tokyo National Museum (2023) Saga University (2022) |
Principal Investigator |
辻 貴志 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, アジア太平洋無形文化遺産研究センター, アソシエイトフェロー (30507108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 林太郎 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 准教授 (40462204)
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30396337)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 干潟 / 漁撈 / 採捕 / 文化 / 琉球 / 東南アジア / 生物 / 生業 / 生業活動 / 人類誌 / 漁撈採集 / 海洋生物 / 人類学 / 資源利用 |
Outline of Research at the Start |
干潟の資源利用に関する従来の研究は、干潟の採捕活動を人類進化あるいは生業活動の側面から一辺倒に捉えており、その文化との繋がりが明確に議論されてこなかった。また、干潟の環境保全に関する研究が大部を占め、本研究が対象とする島嶼における干潟の資源利用文化に関する総合的な研究は国内外で確認できない。そこで、本研究は従来の研究が等閑視してきた干潟の資源利用のミクロな側面をマクロな側面と融合させ、琉球列島と東南アジア島嶼部における干潟の資源利用文化について総合的な民族誌を作成することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度のフィリピン・ルソン島北部南イロコス州での貝細工調査、ミンダナオ島ダバオ市での海産生物調査に引き続き、2023年度はフィリピン・セブ州での干潟の資源利用調査、パラワン島南部の市場での海産生物調査、ミンダナオ島サンボアンガ市の市場での海産生物調査、採捕民の集落調査、フィリピン国立博物館での海洋文化に関する展示資料調査を行った。調査の成果は論文(日本語5本)の他、国内外の学会及び研究会において公表した(英語発表6回、日本語発表6回)。 セブ州では、漂海民バジャウの集落において、人々に干潟の資源利用の実際と生物の命名に関するフィールドワークを行った。また、セブアノ漁民の集落でも、干潟の資源利用と生物の命名に関する調査を実施した。これらの調査をとおして、干潟の資源利用を行う人々の資源利用の実態だけでなく、干潟に依存した生活についても記録した。 パラワン州南部では、公設市場において売買される海産生物について、その種類、学名、方言名、利用形態に関するフィールドワークを行った。そして、海産生物の市場との密接な結びつきを確認した。 ミンダナオ島サンボアンガ市では、バジャウの集落及び公設市場での海産生物に関する視察を行い、干潟の資源利用の実態についてフィールドワークを行った。また、フィリピン国立博物館では、干潟の資源を採捕するバジャウをはじめとする人々の漁撈採捕に関する物質文化、そして干潟の生物に関する展示資料の実見調査を行った。 以上、干潟を利用して生きる人々の干潟の資源利用文化の解明に資するフィールドワーク及び資料収集を展開すると共に、これらの成果を論文や学会発表をとおして国内外で幅広く公表することに努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、フィリピンにおいて計3回の干潟の資源利用文化に関するフィールドワークを行うことができた。当初は、琉球列島の干潟の資源利用文化の研究も視野に入れていたが、今日、実際に干潟を利用した漁撈採捕を盛んに行っている地域は限られている。よって、研究分担者の小野林太郎が、琉球列島において過去の干潟の資源利用を解明するための民族考古学的な発掘調査を広域で展開している。よって、琉球及び東南アジア島嶼部での干潟に資源利用文化に関する研究は、過去から現在にわたる時間軸で行うことができている。今後もこの体制で研究を進めていくが、東南アジア島嶼部についてはより地域的な多様性を持たせるためインドネシアの干潟の資源利用調査を視野に入れ、研究活動を推進している。 研究成果については、各分担研究者が論文を生産すると共に、国内外の学会において本研究に関わる成果を精力的に公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、計画どおり、琉球及び東南アジア島嶼部での干潟の資源利用文化に関する研究を、過去から現在にわたる枠組みで展開できている。今後は、琉球においては、引き続き、過去の干潟の資源利用文化を復元する発掘調査を基盤とし、東南アジア島嶼部においては地域を拡大してより多彩な干潟利用文化がわかる工夫をしたフィールドワークを展開していく。 本研究の成果本について、刊行準備を鋭意進めている段階である。
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Report
(2 results)
Research Products
(23 results)