強制なき法:西洋古代・中世における民事執行と判決履行
Project/Area Number |
22K01124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05010:Legal theory and history-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川島 翔 九州大学, 法学研究院, 准教授 (30822796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 健 京都大学, 法学研究科, 教授 (70437185)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 民事執行 / 訴訟 / カノン法 / ローマ法 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、国家による執行を前提としない古代および中世の西洋世界において、民事執行および判決の履行がいかにして行われたかを明らかにする試みである。古代ローマ法および中世ローマ・カノン法を素材とし、民事執行それ自体のみならず、民事執行に関わる周辺的法制度や、政治体制や裁判制度に基づく任意履行を促す仕組みにも着目し、権利実現のシステムを包括的・多面的に検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度に当たる今年度は、国内外の研究動向を調査し研究背景にある問題認識を確認するなどの基礎的作業に着手するとともに、各分担課題に沿って研究を行った。カノン法に関しては、中世後期以降に司法上の制裁手段として債務を履行させる一般的な手段となった破門制裁について特に検討を進め、債務を理由とする破門および瑕疵ある破門判決に対する不服申立手段に着目し、研究報告を行った。前者については、中世後期の経済社会における同破門の機能、偽誓と債務不履行との関係、無資力による不履行と命令不服従による不履行との区別などにつき、分析・整理を行った。後者については、教皇立法で特定の手続的瑕疵が判決無効原因として認められ、それに基づき教会法学者により無効原因が拡大されていたことなどを確認した。ローマ法に関しては、ローマの訴訟制度に関わる基礎的な諸問題につき複数の論文発表および研究報告を行った。まず、河川氾濫に伴う後始末をめぐる法的紛争の処理を伝えるローマ法文に着目し、「妨害排除」概念の沿革と内実、そしてそれと「物権的請求権」との連関について検討し、訴訟法の観点から本案と本権との関係を解明する一端を得た。この他、民事訴訟における却下と請求棄却との区別につき、この区別が古代ローマに遡り起訴(陪審)の判断と有罪無罪の判決との区別に対応することを示した。加えて、訴訟法上の当事者適格が前提とするポリス構成員としての「市民権」概念を分析し、自治体の公安を担う住民概念との異同を解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画のとおり研究を進め、複数の論文発表や研究報告を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き各分担課題に沿って研究を進めつつ、意見交換を重ね共通課題について認識を深めることに努めたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)