Project/Area Number |
22K01162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
長戸 貴之 学習院大学, 法学部, 教授 (90632240)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 租税競争 / キャリードインタレスト / 株式報酬 / 黄金ビザ・黄金パスポート / デジタルノマド / 人材誘致競争 / 民主主義 / 労働所得 / 相続・贈与 / 社会保障 / ライフサイクル |
Outline of Research at the Start |
本研究では,グローバル経済において可動性(mobility)を増している富裕・高所得の個人への課税のあり方について検討する。 近年,富裕・高所得の外国人・移入者を誘致するために各国が外国人・移入者向けの税制優遇措置を導入するという形での国際的な租税競争が激化している。このような租税競争は,移住先国における国民との公平性・旧居住地国による課税権の防御,旧居住地国と新居住地国との間の課税権配分をめぐる問題を引き起こす。本研究では,これらの問題について,具体的な法制度を意識しつつ国際課税の租税政策論を展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究実績において報告した「人の可動性と租税法――序論的考察 」が最終的に公表されるに至ったことが2023年度における最大の研究成果物である。また、同論文の続編を構想し、オランダInternational Breau of Fiscal Documentation(IBFD)の主催するIBFD Inaugural Academic Tax Conference(2024年5月開催)に応募した結果、査読を通過し、「The Second-best Tax Policy for Attracting High-Skilled Individuals in a Globalised Economy: Prevention of Regressive Labour Income Taxation among Citizens」との題名で論文を執筆した。同論文では、ゲーム理論と政治哲学の知見を参照しつつ、経済学的・法学的な観点から、主権国家が、多国間協調を得られない状況の下で、一国限りの租税政策として、どのように人材をめぐる租税競争に対処するのがより害悪が少ないかを論じた。この論文はConference後、2024年度又は2025年度に書籍収録論文として公表される予定である。 また、人の可動性をめぐる租税政策を論じるにあたって、富や所得の分配状況や、いかにして富や所得の偏在が生じるかの仕組みを具体的に把握するために、アメリカにおける所得税の再分配機能に関する論文を執筆した。さらに、人材をめぐる租税競争の分析にあたっては、法人税に関する租税競争の議論が有益であるため、法人税をめぐる租税競争に関する英語論文を執筆しアメリカの査読誌で公表したほか,租税競争の正義論的な検討をした書物の書評を執筆したり,法人の管理支配地が問題になった日本の裁判例の判例評釈を執筆したりした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
着実に成果物を公表できており、また、国際的な舞台での研究報告の機会も得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は引き続き、人材をめぐる租税競争についての租税政策のあり方を探求する。とりわけ、人のライフサイクルに応じて相続税や社会保険料に関する研究へと拡大していきたい。また、国境線を跨ぐリモートワークについての租税条約上の問題などにも視野を広げていく。
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