Project/Area Number |
22K01232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
神野 礼斉 広島大学, 人間社会科学研究科(法), 教授 (80330950)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 成年後見 / 任意後見 / インフォームド・コンセント / 地域連携ネットワーク / 世話法 / 医療同意 / 利用促進法 |
Outline of Research at the Start |
令和2年3月、「成年後見制度利用促進専門家会議」は、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」に基づく「成年後見制度の利用の促進に関する基本的な計画」(基本計画)に関して、「中間検証報告書」(中間検証)を取りまとめた。この中間検証では、基本計画における施策の進捗状況を踏まえ、成年後見制度の個別の課題が整理されている。本研究では、中間検証に挙げられた諸課題の中から、①任意後見・補助・保佐の利用促進、②不正防止の徹底、③医療等に係る意思決定支援の困難な人への支援の3点に焦点を絞って、制度の運用の改善、さらには制度そのものの在り方(改正の必要性)について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)任意後見の利用促進、(2)医療等に係る意思決定支援の困難な人へ の支援について考察する論考を発表した。 「ドイツにおける任意後見の実情」(広島法科大学院論集19号)は、ドイツの任意後見制度である「事前配慮代理権」の制度の運用状況を紹介するものである。2021年末時点で、530万件以上の事前配慮代理権がドイツ連邦公証人連合会の中央事前配慮登録簿に登録されており、近年、将来に備える法的保護手段として発展している。ドイツの制度の特徴を考えてみるに、第一に、①ドイツの任意後見制度は日本に比べて制度を利用するための要件の敷居が低く設定されており、このような敷居の低さが、ドイツで任意後見が多く利用されることにつながっているように思われた。第二に、②ドイツの任意後見制度においては、延命措置の差し控えなども含めて医療に関する決定について委ねることができ、日本でも、任意後見契約・遺言・リヴィング・ウィルの連携といった工夫が必要であるように思われた。第三に、③ドイツでは、事前配慮代理権について、世話協会や世話官庁による組織的な広報・助言・支援体制が整っており、日本でも、地域連携ネットワークの構築が急務であるように思われた。 「無診療治療の禁止(千葉地判平12.6.30)」(医事法判例百選[第3版])は、診察なき診断や非告知投薬の違法性が問われた裁判例を考察するものである。本判決は、非告知投薬は、できる限り避けることが望ましいとしつつも、病識のない精神病患者に適切な治療を受けさせるための法的、制度的なシステムが十分に整っていない日本の現状では、やむを得ない側面もあるとして、違法性を否定した。病識のない精神疾患の患者に適切な治療を受けさせる場合、だれがどのような手続(裁判所等の公的機関の許可の要否など)に従って決定するのか、法制度の整備が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた補助・保佐の利用促進に関する検討が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って、補助・保佐の利用促進、不正防止の徹底などについて引き続き検討を続けたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)