持続可能な法人後見制度構築に向けた民商法共同の総合的研究ー適格性問題を中心に
Project/Area Number |
22K01249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上山 泰 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (50336103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 千秋 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40386529)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 成年後見制度 / 法人後見 / 地域権利擁護 / 法人論 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、運用論、組織論、財源論、評価方法論の4つの視点から法人後見に関する総合的な検討を行うことによって、持続可能な法人後見制度をわが国に構築するための政策提言を行うことにある。本研究における具体的な検討課題は、①「法人後見人の特質の解明」、②「適正な組織体制に関する法人形態別の諸基準の摘出」、③「法人後見実施団体に対する公的助成のあり方の提言」、④「法人後見実施団体によるファンド・レイジングの手法による財源調達の可能性に対する評価」、⑤「持続的な法人後見活動を保障する報酬制度の提言」、⑥「法人後見実施団体の適格性に関する評価基準と評価手法の確立」である。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、Zoomを利用したオンラインの形態により4回の研究会を実施した。第1回研究会では、本研究課題全体の実施計画と令和4年度中の研究計画について意見交換を行った上で、併せて、研究代表者から「成年後見法改正の方向性」と題する報告を行い、参加者による質疑及び意見交換を行った。第2回研究会(欠格条項研究会との共同開催)では、外部講師として山口詩帆氏(日本学術振興会特別研究員 DC2)を招いて、「アルゼンチン共和国及びブラジル連邦共和国における成年後見法改正について」と題する報告を受け、参加者による質疑及び意見交換を行った。第3回研究会(欠格条項研究会との共同開催)では、身元保証等高齢者サポートサービス事業者との間で締結された死因贈与契約を無効とした名古屋高裁令和4年3月22日判決を題材として、同事件の被告側代理人を務めた熊田均弁護士ら3名の弁護士による報告を受け、参加者による質疑及び意見交換を行った。第4回研究会では、研究分担者から「商人の営業能力」に関する報告を受け、参加者による質疑及び意見交換を行った。併せて、研究会メンバーによる令和4年度の研究の進捗の総括を行い、令和5年度の研究計画について協議を行った。このほか、研究代表者は日韓台の国際会議(韓台日高齢者・障害者権利擁護大会)を含めて、本研究と関連するテーマでの研究報告3本を行った。 比較法研究に関しては、コロナ禍の影響により海外調査の実施を見送ったため、主に文献調査の手法を通じて各自が担当する比較法研究を進めた。その概要については、先述の第4回研究会において情報共有を行った。 研究業績の発信については、内田千秋「フランスの会計監査役制度の近時の展開ー2019年改正とその後」法政理論55巻190~237頁をはじめとして、本研究の成果と関連する3本の論文と3本の判例評釈を公刊することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度においては、本研究計画実施の基盤となる法人後見制度研究会をオンラインにより4回実施することができた。うち2回は、成年後見制度に造詣の深い外部講師(研究者及び弁護士)からの報告を聞けたことによって、本研究の実施に有益な知見を深めることができた。特に、適正な法人後見制度の構築に当たって必須の要素となる利益相反(さらには民法上の利益相反行為には直接該当しないものの、判断能力不十分者の利益が損なわれる構造的なリスクが潜在する関係性注意事案(関係性の濫用のリスクがある事案))に関する考え方について、研究会メンバーの理解を進めることができたことは、今後の研究課題の実施に当たって有益であった。 研究成果の発信については、内田千秋「フランスの会計監査役制度の近時の展開―2019年改正とその後」法政理論55巻190~237頁をはじめとして、本研究の成果と関連する3本の論文と3本の判例評釈を公刊することができた。加えて、研究代表者は日韓台の国際会議を含めて、本研究と関連するテーマでの研究報告3本(韓台日高齢者・障害者権利擁護大会における報告、意思能力研究会及び法的能力研究会における研究報告)を行っており、本研究課題に関する研究実績を着実に積み上げている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度についても法人後見制度研究会を基盤として研究計画を実施していく。令和5年度は、原則としてオンラインにより5回ないし6回の研究会を開催する予定である。うち2回程度は外部講師を招く予定であるが、本年度は、ソーシャルビジネスに造詣の深い経営学者やベンチャー企業の経営者等も報告者として招き、法律学の視点にとどまらない多角的な観点からの考察を進めていくことを想定している。このほか、法人後見を実施している社会福祉協議会、NPO法人等のヒアリングを進め、法人格の違い等の団体の特性が法人後見の運用にいかなる影響を与えているかについて、調査を進めていく。 今年度も十分な海外調査を欧州において実施できるかについて不透明なところが残るため、仏独に関する比較法研究については文献調査を中心的な手法として、特に組織論と財源論に焦点を当てて分析を進めていく。また、令和5年8月末に韓国ソウルで開催される国際会議に研究代表者が講演者として招待されているので、この機会に併せて現地の研究者らとアジアにおける法人後見の運用の現状に関する意見交換等を行う予定である。 研究成果の発信については、研究代表者及び研究分担者が所属する大学の紀要である法政理論への論文の投稿をはじめとして、本年度も精力的に業績の公表に努めることとする。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Book] マンション判例百選2022
Author(s)
山野目 章夫、佐久間 毅、熊谷 則一、上山泰ほか
Total Pages
208
Publisher
有斐閣
ISBN
9784641115590
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[Book] 相談支援の法的構造2022
Author(s)
菊池 馨実、上山泰ほか
Total Pages
344
Publisher
信山社出版
ISBN
9784797254778
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