Project/Area Number |
22K01264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅原 郁夫 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (90162859)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 民事訴訟 / IT化 / 法律相談 / 弁護士・依頼者関係 / コミュニケーション / 面接技法 / 証人尋問 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、現在政府が取り組む裁判手続等のIT化に向けた試み1つである「e-Court」に関し、とくに、ⅰ)弁護士・依頼者間のコミュニケーション、ⅱ)争点整理・和解過程のコミュニケーション、ⅲ)人証審理過程のコミュニケーションといった局面に関し、心理学的手法を取り入れた実証実験を行うことによって、今後の「e-Court」を巡る議論に関し、議論の基礎となるより実証的な知見を提供すると同時に、実務の展開にあたっての実践的方向性の提示を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画に従い、法律相談における面接技法の効果を計測するために、対面相談とWeb相談を比較する心理学実験を行った。被験者は、約80人で、それら被験者を、事案2パターン(感情移入事案、情報提供事案)*面接技法(共感型、非共感型)*面接条件(対面、WeB)の8グループに分け(各グループ10人程度)、面接条件と面接技法の関係を質問紙への回答を比較する形で計測した。 その結果、感情移入事案では、面接技法に関し、対面面接・Web面接ともに共感型面接の優位性が一定範囲で確認されたが、Web面接では非共感型を用いた場合、評価が低下することが確認された。そこでは、Web面接で共感型技法を用いず、非共感型技法を用いることの危険性が示された。 対して、情報提供型の事案では、対面・Webといった面接方法の違い、共感・非共感といった面接技法の違いのいずれもが大きな効果は持たず、被験者の評価に大きな変化を生じさせなかった。 これらの結果を総合して考えるならば、感情的要素の関連する相談事案においては、Web相談を用いる場合に,共感型技法を用いることが重要である反面、そういった感情的要素の少ない、情報提供型の事案(企業間の事案やビジネスに関する事案など)の場合は、対面かWebか、共感技法か非共感技法かといった点が大きな違いをもたらさず、Web相談を用いる障害が少ないことが示されたと言える。 本年度は、これらの成果につき、法と心理学会(2023年10月21日、静岡大学)で報告したほか、次年度は日本法社会学会(2024年5月19日、北海道大学)で報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の実施にあたり、被験者の確保が容易ではなく、相談場面以外の事案設定での実験の実施ができなかったが、その分、相談場面に於ける実験内容は充実したものとなり、有益な成果が得られ、学会発表もできた。その意味で、研究は、おおむね順調に進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、新たにWebを用いる場面についての検証実験を行う予定であるが、相談場面の問題を掘り下げるが、他の場面に関する実験を行うかは、5月に行う、日本法社会学会での成果報告の評価をみて、決定する予定である。 いずれにせよ、2024年度が本科研費研究の最終年度なので、これまでの成果のとりまとめを行う予定である。
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