Project/Area Number |
22K01268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
荻野 奈緒 同志社大学, 法学部, 教授 (30546669)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 不可抗力 / 新型コロナウイルス / 商事賃貸借 / 賃貸借 / 債務不履行 / 免責事由 / 事情変更 |
Outline of Research at the Start |
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、このパンデミック(あるいはそれに対応するために政府が執った措置)が「不可抗力」にあたるかという問題を提起している。本研究は、フランス法との比較・検討を通じて、不可抗力の要件・効果や、契約の分野における不可抗力の位置づけを明らかにしようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に引き続き、フランス破毀院第3民事部2022年6月30日判決(Pourvois no 21-19.889、no 21-20.127、no 21-20.190)について検討し、その成果を判例評釈として公表した(荻野奈緒「新型コロナウイルス感染症の流行により休業を余儀なくされた店舗の賃料:フランスの場合――破毀院第3民事部2022年6月30日判決――」同志社法学75巻6号(2023年)1667-1698頁)。上記各判決は、行政上の措置により公衆の受入れを禁止された商事賃借人の賃料債務の帰趨について、賃借人の主張をいずれも排斥し、賃料債務の減免を認めなかった。主な争点は、不履行の抗弁(民法典1219条)ないし賃借物の滅失(1722条)が認められるかであったが、これらは実質的には賃貸人の引渡債務の不履行の有無という同じ問題に帰着する。破毀院は、行政上の措置が不動産を対象とするものであるか否かにかかわらず、不履行の抗弁を封じ、1722条の適用も否定しているが、その論理は明確ではなく、法技術的な正当化に成功しているとは言い難い。政策的な判断だとみるべきだろう。 また、上記各判決について検討する過程で、同様の事案において、ベルギー破毀院が、2023年5月26日(C.22.0296.N)と同年9月7日(C.22.0437.N)に、フランス破毀院とは異なる判断を示したことが判明した。そのため、両者を比較検討するべく、ベルギーの判例・学説の検討を開始した。 そして、2024年2月から3月にかけて、パリおよびブリュッセルで、資料調査および聴き取り調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に予定していた事例研究を完結させ、フランスでの資料調査・聴き取り調査も実施した。 当初予定していなかったベルギーの判例・学説の検討を行うこととしたため、不可抗力の効果に関する検討の開始が若干遅れているが、2024年度には開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ベルギーの判例・学説の検討を進めるとともに、不可抗力の効果に関する検討を開始する。 その後も、当初の計画にしたがって、研究を進める予定である。
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