| Project/Area Number |
22K01271
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 05070:New fields of law-related
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| Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蘆立 順美 東北大学, 法学研究科, 教授 (60282092)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 幸典 東北大学, 法学研究科, 教授 (20241507)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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| Keywords | 限定提供データ / 情報の保護 / データの利活用 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、不正競争防止法における限定提供データ保護制度について、①他の情報の保護制度における議論、特に、類似の規制手法をとっている営業秘密の保護やデータの利用契約における議論、②欧州を中心とする諸外国の法制度からの示唆、③刑事的規制に関する議論から得られる知見、④科学研究分野におけるデータの利活用に関する動向等を考慮しつつ、限定提供データ保護制度の解釈について、現行制度の妥当性も含めて検討を行い、同制度の基礎となる法理を明らかにするものである。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は、前年度に引き続き、不正競争防止法の限定提供データに関する議論について、調査、分析を進めるとともに、2023年12月に成立したEU Data Act(EUデータ法)に関する研究に着手した。 EUデータ法は、EUにおけるデータ戦略の1つと位置付けられており、データの利活用の促進を目的の1つとして制定されていることから、わが国の限定提供データ保護の制度趣旨との共通点を有している。もっとも、EUデータ法は、データ保有者の権限について定めたものではなく、IOT機器とその関連サービスから生じるデータを対象として、当該データの作出に関与したユーザーに対しアクセス権を付与するという制度を採用しており、我が国の保護とは異なるアプローチをとっている。EUデータ法は、データ保有者に当たる事業者に対し、ユーザーが自己のデータにアクセスし、使用することを確保するよう義務付けているほか、ユーザーが当該データの第三者への提供を希望した場合に応ずべき義務を定めている。 本年度は、EUデータ法上のユーザの権利の法的性質に関する欧州における議論を中心に調査し、個人情報保護との関係、競争法との関係、知的財産法との関係のそれぞれの観点からの議論について整理を行った。その結果、EUデータ法は、個人情報保護にかかるデータポータビリティの制度を借用している制度ではあるが、データ保有者の事実上のデータ独占状況に対する競争法的規制の意味合いが大きく、強制的にデータ共有の実現を図っているものと理解できるのではないかとの分析を得て、こうしたアプローチの妥当性に関する調査、検討を行った。 また、限定提供データの保護に関する刑事的規制の在り方についての基礎的な知見を得るため、営業秘密侵害罪に関する一連の不正競争防止法改正が裁判例や実務に与えた影響について分析を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、EUデータ法の調査に着手し、同法に関する文献収集や分析について比較的順調に進めることができた。今後は、EU法に関する調査分析を継続するとともに、わが国の不正競争防止法との比較、および、EU法からのわが国の法制度の在り方に関する示唆について、検討を進める予定であり、研究は概ね順調に進んでいる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在進めているEUデータ法に関する調査、分析を継続し、特に、データの作出行為を起点としてデータの使用や共有に関する法的な規制を及ぼすことの根拠や妥当性、関連する制度の関係性について調査を行う予定である。また、EUデータ法には、営業秘密の保護・データベース権に言及する条項が存在するが、その内容及び妥当性については、欧州において様々な議論がなされており、データの利活用の観点から、営業秘密の保護や情報集積物の法的保護に対して、何らかの制限を行う必要性が認められるのか等に関し、その理論的根拠も含めた調査を行い、わが国の法制度への影響に関して検討を行う予定である。なお、これらの研究成果の一部は、6月に開催される日本工業所有権法学会で報告を行う予定であり、同報告内容については、学会紀要に掲載予定である。 さらに、EU法に関する調査分析からの示唆を得て、わが国の不正競争防止法との比較により、わが国の不正競争防止法におけるデータ保護の特徴を明らかにする。そこから得た知見を踏まえ、営業秘密の保護と限定提供データの保護の関係性も含めた分析を行い、あわせて、限定提供データの刑事的保護の必要性やそのあり方について検討を行う予定である。
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