標識法と消費者行動:《需要者の認識》の関わる諸概念への実証的アプローチ
Project/Area Number |
22K01276
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05070:New fields of law-related
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
井上 由里子 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (60232568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五所 万実 目白大学, 外国語学部, 専任講師 (10908677)
佐々木 通孝 武蔵野大学, 法学部, 教授 (20814726)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 商標法 / 消費者行動 / 需要者アンケート / 社会調査 / 混同のおそれ / 普通名称 / セカンダリー・ミーニング / 商標言語学 / 不正競争防止法 / 標識法 / 法言語学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、標識法の基本概念とされる「混同」「普通名称性」及び「セカンダリー・ミーニング」に係る《需要者の認識》について、学際的な研究領域である消費者行動論の知見を参照しながら実証的に解明し、学術的な基礎研究を深化させることを主目的とする。 本研究は、(ⅰ)消費者行動研究の知見を参照した標識法の学際研究として学術的独自性や発展性を有するとともに、(ⅱ)訴訟における事実認定に実証的な支えを提供することにより、客観的な証拠に基づく裁判という観点からの社会的貢献にも繋がりうる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、標識法の基本概念とされる「混同」「普通名称性」及び「セカンダリー・ミーニング」に係る《需要者の認識》について、学際的な研究領域である消費者行動論の知見を参照しながら実証的に解明し、学術的な基礎研究を深化させることにある。2023年度の研究実績は、以下のとおりである。 本研究課題で用いる需要者アンケートの手法に関して、最近の裁判例や実務の動向も含めた論文を公表した(井上由里子「不正競争防止法上の諸要件立証のための需要者アンケート―セカンダリー・ミーニング、混同のおそれ、普通名称化―」パテント76巻29号57-78頁(2023年11月))。「混同」については、購買場面を再現するシナリオを用いた場面想定法の需要者アンケートの結果の分析により,取引の実情や消費者個人の関与度・知識が「混同のおそれ」に与える影響を検討する論文を公表した(井上由里子, 佐々木通孝・吉岡(小林)徹「不正競争防止法における『混同のおそれ』の規定要因」法社会学の最前線(査読有り)(2023年5月)。「普通名称性」については、普通名称性に関する既実施の需要者アンケートの未分析のデータを用いて、UMAP分析により、日常会話での対象語の用法頻度から「一般名称らしさ」と「商標らしさ」の度合いを測定する方法を探るとともに,自己の用法と社会一般の用法の評価に乖離があるか否かを検討する学会報告を行った(第48回社会言語学会研究大会:五所万実・井上由里子「需要者サーベイからみる商標の普通名称化-法的言語判断への実証的アプローチ-」。「セカンダリー・ミーニング」については、近時の裁判例や新たな研究・実務の動向を整理する論文を公表するとともに(井上・前掲)、色彩のセカンダリー・ミーニングに係る調査の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実施済みの調査について、未分析の項目のデータのクリーニング及び新たな分析手法の検討に想定以上の時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
「混同」については、「広義の混同」の発生に影響について、既実施調査で未分析の項目について分析を行うとともに、分析結果を踏まえた実査の準備を進める。 「普通名称」については、UMAPを用いた分析を発展させ、論文として公表する。また、国際シンポジウムにて口頭発表も予定している(6/24-27 Sociolinguistics Symposium25、Mami Gosho, An Empirical Linguistic Study on Trademark Genericization) 「セカンダリー・ミーニング」については、既実施調査で未分析の項目を分析した結果を論文としてまとめるとともに、Bednall, D. H., Gendall, P., Hoek, J., & Downes, S.(2012). Color, champagne, and trademark secondary meaning surveys: devilish detail. Trademark Rep., 102, 967を先行研究として、色彩の「セカンダリー・ミーニング」に関する実査を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Book] 法社会学の最前線2023
Author(s)
日本法社会学会
Total Pages
368
Publisher
有斐閣
ISBN
9784641126442
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