Project/Area Number |
22K01299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
川島 佑介 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (60760725)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | ガバナンス / ロンドン / 都市開発 / 都市再開発 / ロンドン五輪 / 中央地方関係 |
Outline of Research at the Start |
都市機能を更新する再開発では、その課題が多面的であることから、多くの組織がかかわってくる。再開発の実施には組織間の協調的関係が不可欠であるが、各組織は各々の理念や利害を有するため、協調的関係は自明ではなく、意識的に形成されるものと捉えられるべきである。本研究は、とりわけ多元的で複雑な組織間関係のもと進められた2000-10年代の東ロンドン再開発を取り上げ、再開発をめぐる組織間関係の形成と展開を通時的に明らかにする。この事例研究を通じて、ガバナンスや連携の形成と展開に対する理論的貢献をなす。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、文献調査とオンラインでの資料収集、および過去に入手した資料の解読を行い、以下の三点の成果を得た。 第一に、前年度に引き続き、中央政府とその行政機関であり、オリンピックのインフラ整備を担当したODAの文書を読み込んだ。これによって、ロンドン五輪を契機にした東ロンドン再開発は、オリンピックの理念や時間といった外的制約に強く規定されていたことを確証できた。逆説的ではあるが、多くの強い制約は、利害の調整における「落としどころ」であるため、アクター間の調整が円滑に進んだ原因として考えられる。 第二に、広域自治体であるGLAと、基礎自治体であるBoroughs、さらにその協議体といった地方自治体の再開発計画文書を時系列に解読した。自治体は、再開発の既成事実化を主張し、それに必要な中央政府からの補助金を繰り返し求めていった。しかし、中央政府の反応は必ずしも、それに応えたものではなかった。そのため、将来像は練り上げられていくものの、数値化された再生計画(子どもの教育水準、雇用率、平均余命、スポーツ習慣等)の進捗はすべて順調とは言えないことが明らかになった。 第三に、「DeliberateからDeliveryへ」とも言われる、プロセスよりも結果重視の志向性が、研究者からだけではなく、再開発を手掛けたODAや地方自治体によっても肯定的に主張されていることを発見した。ただし、これが民主主義の後退なのか、それとも評価を介した新たな民主主義のあり方なのかについて判断するには、一層の研究を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究自体は確実に進んでいるものの、分析にとりあげなければならない文献・資料が続々と発見されるため、論文執筆や在外研究に至らなかった。また、校務負担や他の研究プロジェクト、私的理由等で思うように研究時間が取れなかったこともあり、コアとなるアイディアは固まったものの、論文執筆には至らなかった。 しかし、研究は進んでおり、挽回も可能な範囲であるため、「(3)やや遅れている。(Slightly Delayed)」に相当する。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れがあるものの、基本的には堅実に研究は進捗しているため、やや後ろ倒しにしつつも、予定に即して研究を進める。すなわち、2024年度は、引き続き、関連する資料を収集、分析することで、諸組織間の協調体制の成立過程を解明する。あわせて、可能なところから論文を発表していく。
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