女性参政権成立の研究 戦前日本と諸外国との比較を中心に
Project/Area Number |
22K01336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
笹岡 伸矢 駿河台大学, 法学部, 講師 (70409431)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 女性参政権 / 民主化 / 議会 / 体制変動 / 戦争 / 比較政治 / 上院 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、3つの課題に取り組む。①戦前日本の事例において、女性参政権不成立に対して戦争および上院(貴族院)の存在がどのような影響を与えたのかを確認し、②日本と他国の事例の質的比較によって、要因を浮き彫りにして因果関係のメカニズムをより精緻化し、そして③事例分析(①と②)で得た知見から女性参政権成立のモデルを作成し、同じく事例分析で抽出された変数の効果を検証するために計量分析に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
「どのような条件で女性参政権は認められるのか」を明らかにする本研究だが、初年度である2022年度は、当初の予定における「課題1」「課題2」については、日英米仏の比較によって、上院(日本では貴族院)の重要性を指摘することができた。さらに、日本の女性参政権の不成立の要因分析についても取り組み、なぜ女性たちが女性参政権(婦選)を主張しながら戦争協力に進んでしまったのかのメカニズムについても議論することができた。また「課題3」においては、予備分析として、先行研究で重視されている諸変数について、計量分析をおこない、どの変数が重要であるのかを確認した。 今後については、当初の予定を一部変更し、戦争と体制変動が女性参政権成立に影響を与えたことの重要性を指摘していきたい。その理由としては、議会と政党の存在は、第1次世界大戦後、体制変動を経験しなかった国において重要であることが分かったが、第1次世界大戦と第2次世界大戦において体制変動し、既存の議会制度や政党が崩壊していくなかでは、異なる変数を見つけ出すことが必要であると考えたからである。 そのなかで、第2次大戦を経て体制変動を経験し、その過程で女性参政権が認められたイタリアの事例も扱うこととした。そのため、同国の研究で名高い研究者へのヒアリングおよび研究へのコメントをもらうことができ、今後の研究の弾みとなった。 今年度は4本の論文を作成したが、掲載できたのは2本であった。残り2本は査読が通らなかったが、別の雑誌への投稿を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定を一部変更はしたが、これは研究を進めるなかでさらに重要な変数を指摘すべきだという認識に至ったので、積極的な変更であった。現時点で、論文も4本作成(刊行は2本)できたことから、順調に進んでいると考えている。 本研究はおおむね1次資料に依拠するものではないため、2次資料と専門家からの情報収集が重要であり、その両方は順調に行うことができた。図書や雑誌論文の収集は時間がかかる面もあるが、漏れのないように資料を収集することを心掛けた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、第2次大戦後に体制変動を経験し、女性参政権が認められた日仏伊における成立のメカニズムを明らかにすることを第一の目標とする。そして、同様に、第1次世界大戦後の体制変動のさなかに認められた独露についても研究を進めていく。この2つの研究(5か国)の比較によって、戦争およびその後の体制変動がもたらした効果の類似点と相違点を明らかにすることを目指す。 さらに、2024年度にかけてはそれら事例からゲーム理論などを用いてモデルを作成し、重要な変数を特定するために、計量分析をおこなう。 今後必要なことは、ゲーム理論や統計分析の技術の洗練化と、外国語を含む雑誌への投稿と採択の技術の習得であると考えており、適宜、レクチャーをいただける人へのアクセスを試みたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)