「有識者」の系譜学:日本の対外政策を形づくる装置と思想
Project/Area Number |
22K01355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大山 貴稔 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (20802391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春名 展生 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (20759287)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 有識者 / 装置 / 外交思想 |
Outline of Research at the Start |
日本の対外政策形成過程に関する理論的枠組みに「有識者」というアクターを組み込むことを見据えて、本研究では対外政策の「有識者」がいかなる権力関係の網の目の中に置かれてきたのかを調査する。研究史上の空白となってきた1970年代後半から90年代初頭に光を当て、①いかなる装置によって「有識者」の主体化が促されてきたか、②主体化された「有識者」はいかなる外交思想を紡ぎ出してきたか、という2つの観点から検討を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
5年にわたる研究期間の初年度(2022年度)として、先行研究のレビューと公刊資料の収集に力点を置いた。代表者(大山)と分担者(春名)で年10回の打ち合わせを行って問題意識や資料収集の状況などを共有し、共同研究の地盤を固めながら各々の分担を明確にした。具体的な研究実績は以下の2つに大別される。 第一に、「有識者」としての主体化を促してきた装置の検討を進めた。特定の学識者群が政権を超えて対外政策の形成・決定過程に関与してきた事実に着目し、それらの学識者と政府の結節点を形成した諸契機の整理から取り掛かった。政府(内閣総理大臣官房調査室や内閣調査室など)・民間(中公サロンやサントリー文化財団など)・大学(高坂正堯の系譜や佐藤誠三郎の系譜など)という3つの磁場の相互作用を通して反共産主義の学識者ネットワークが重層的に形成され、その中から政治アクターとしての色彩が濃い学識者が現れた経緯などが見えてきた。この一部について代表者が政治社会学会で口頭発表を行って、2年目(2023年度)には論文として刊行できるように執筆を進めている。 第二に、「有識者」が紡ぎ出した外交思想を分析する準備を進めた。代表者と分担者がそれぞれに高坂正堯の系譜と佐藤誠三郎の系譜を視野に入れた資料収集を行い、基礎となる情報の整理と分析視角の錬成を行った。その過程で、これらの学識者ネットワークの外部にも英語圏の政治的リアリズムが流れ込む経路があったことなどが見えてきた。次年度以降の土台になる成果として、分担者が「国際関係」への問題関心が高まる思想史的背景などを明らかにした論考を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調書に記した目的及び計画に従って研究を遂行し、初年度から研究成果を発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
代表者と分担者の間で継続的に議論を重ねながら以下の作業に取り掛かる。 ①初年度の調査の到達点を踏まえた論文執筆 ②初年度の調査で見えてきた仮説の検証 ③国立国会図書館憲政資料室等に所蔵された未刊行資料の調査
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Book] 国際関係の系譜学2022
Author(s)
葛谷彩、小川浩之、春名展生
Total Pages
296
Publisher
晃洋書房
ISBN
9784771036482
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