Project/Area Number |
22K01385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
嶋田 晴行 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (50568110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 正典 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (10155640)
石川 幸子 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (20906747)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | アフガニスタン / タリバーン / 米国 / 移民・難民 / 国連 / 平和構築 |
Outline of Research at the Start |
米国が主導した「対テロ戦争」は、自国の脅威となる国々を軍事介入によって体制転換し、米国が考える「民主化」を目指したものであった。しかし、2020年2月の米国とタリバーンとの停戦合意(ドーハ合意)、そして2021年8月15日のタリバーンのカブール入城はその試みが失敗したことを示している。本研究は、そのような米国の「民主化」の失敗とアフガニスタン安定化への障害の構造的要因を明らかにしていくこと、そして、今後のアフガニスタン再建に何が必要であるのかを明らかにすることを目標とする。加えて、既存の平和構築、国家建設といった概念において欠けている点を指摘するという理論的貢献も目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度も各人の分担に沿って調査・研究を進めた。特に研究代表者/アフガニスタン動向分析担当は、約7ヶ月にわたる長期の米国滞在の機会を利用して、米国国務省などの政府組織、大学・研究機関、USAIDなどの援助機関、そして報道機関のアフガニスタンを専門とする研究者、実務者と面談した。さらに米国議会図書館や大学図書館などで、貴重かつ多数の米国のアフガニスタンへの関与に関する外交資料などを閲覧・収集することができた。また、英国ロンドンにおいても英国外務・英連邦・開発省の外交官、研究者と面談、さらに大英図書館でも資料を収集することができた。加えて、カナダ・バンクーバーにおいて2021年8月のタリバーン復権以降あるいはそれ以前にアフガニスタンから海外に逃れたアフガン人移民へのインタビューを実施し、彼らの証言を通して現在のアフガニスタンが置かれた状況をミクロレベルで把握することができた。他の研究分担者もそれぞれの専門分野において、本件に関する研究を遂行した。具体的には、タリバーンの国家思想と統治機構分担者は、中東地域特にアフガニスタンと歴史的関係が深く、タリバーンにも影響力を有するトルコとのネットワークと通じて、アフガニスタンおよびタリバーンの現状に関する情報・資料収集を行なった。さらに平和構築/移民・難民問題の分担者は、JICA研究所との共同プロジェクトを進める傍ら、アフガニスタン移民と含む国際的な移民・難民の状況について調査・研究を着実に研究を進めた。以上から、現時点で把握可能な限りのアフガニスタン・タリバーン政権の現状と米国などの関与の状況を把握・理解することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の2年目として当初の計画に沿って各自それぞれが調査・研究を進めることができた。ただし、中東情勢、特に2023 年10月のパレスチナのハマスによるイスラエル領への襲撃とその後のイスラエル軍のパレスチナ・ガザ地区への侵攻以降、中東情勢が緊迫するという事態に直面した。加えて、現在(2024年4月)に至るまでいずれの国・国際機関もタリバーンを正式なアフガニスタンの政権として承認していないという状況が続き、当初計画していたカタールの首都ドーハに設置されたタリバーン政権の代表部を通じてのタリバーンおよびその関係者への接触が困難な状況となった。これらは、本研究の計画・開始時点では予測不可能な事態であった。しかし、本件参加者のそれぞれの経験とネットワークを活用し、米国や英国そして日本における調査などでで補うことで十分に本研究を推進させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間最終年度の2024年度も引き続き各分担に沿って調査・研究を進めていく。ただ、前述のように緊迫する中東情勢および日本を含む欧米政府とタリバーン政権との関係正常化が見通せないという不透明かつ予測不可能な状況から、当初計画していたカタールのドーハでのタリバーンおよび関係者との接触の実現は困難となる可能性がある。それも想定して、日本国内および欧米などの関係国における調査で補完しながら本研究を進め一定の成果を出すことを目指す。
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