Project/Area Number |
22K01454
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
内山 直子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (90738577)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | メキシコ / ラテンアメリカ / 経済 / GVC / 自動車産業 / 日系企業 / メキシコ経済 / 生産性 / グローバリゼーション |
Outline of Research at the Start |
本研究では、北米自由貿易協定(NAFTA)に代表される北米グローバル・バリューチェーン(GVC)の一員として経済成長を目指してきたメキシコが、2000年以降、いわゆる「経済成長のパラドックス」に陥っていると指摘される現象について、GVC理論を用いた実証分析によってその要因を解明することを目的とする。NAFTAを利用した積極的なGVC参入にも関わらず、メキシコの経済成長率が2-3%台にとどまり続ける原因について、GVC参入後のアップグレーディングが期待ほどに進展していないとの仮説を元に、国際産業連関表やメキシコ国内の企業パネルデータおよびイノベーションに関する調査を利用した実証分析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、北米自由貿易協定(NAFTA)に代表される北米グローバル・バリューチェーン(GVC)の一員として経済成長を目指してきたメキシコが、2000年以降、いわゆる「経済成長のパラドックス」に陥っていると指摘される現象についてGVC理論を用いた実証分析によってその要因を解明することを目的とする。その端緒として、数年前からメキシコにおけるGVCの代表格である自動車産業に関する全メーカー・車種別生産及び輸出に関するデータを用いた動向分析を行い、特に、2010年代の日系自動車産業進出ブームを背景とした日系自動車メーカーのパフォーマンスの変遷に注目した分析について学会等で報告を行ってきた。とりわけ2016年以降の日系自動車メーカーのパフォーマンス低下に関しては、2014年以降に起きた米国でのシェールオイル革命を背景とするガソリン価格の低下とそれに伴う米国の消費者の大型車を好む選好の変化が要因であったことを実証し、その成果を"The (Possible) End of the Expansion Boom of the Japanese Automobile Industry in Mexico, and the COVID-19 Pandemic" と題する英語論文にまとめた。当該論文はメキシコの査読付き学術誌Mexico y la Cuenca delPacifico(Vol. 12, pp. 87-117, 2023)に掲載された。現在のところ、GVC理論および実証に関する先行研究を整理する傍ら、ラテンアメリカにおける不平等の政治・経済・社会的コストを論じた研究書の翻訳出版準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
准教授に昇任して以来、本務校における学内業務負担が増加し、研究に割くまとまった時間の確保が以前より困難になっている。当初の計画では、GVCに関する先行研究レビュー及びGVC関連の指標を作成した上で、計量分析に向けての準備を行う予定であったが、進捗は遅れ気味であるといえる。今年度はこれらの作業に優先的に取り組むとともに、メキシコでの現地調査も行いたい。 しかしながら、これまでの研究成果をまとめた英語論文が海外の査読付き学術誌に掲載されたたことは評価できるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、本件申請時の計画に基づき、GVCに関する先行研究レビューを行うとともに、メキシコ工業調査データを用いた企業の生産性及び国際産業連関表を用いたGVC関連の指標を作成し、計量分析に向けての準備を行う。また、夏休み等の長期休暇にはメキシコでの現地調査を行い、日系自動車産業を中心とするコロナ禍後のメキシコ経済の現状を把握する予定である。データ分析及び現地調査から得られた情報をもとに学会報告及び論文執筆を行う。 一方、今年はメキシコで大統領選挙が行われる年であり、上記の申請課題の分析を進めるとともに、現地調査をもとにしたメキシコ経済と大統領選挙に関する論稿を執筆し、ジェトロ・アジア経済研究所発行の学術誌『ラテンアメリカ・レポート』に投稿する予定である。 その他、2020年のフィナンシャルタイムズ紙ベストブックに選ばれたラテアンアメリカの不平等に関する学術書『The Costs of Inequality in Latin America: Lessons and Warnings for the Rest of the World』の翻訳出版準備を進めており、今年中に東京外国語大学出版会から刊行を予定している。
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