日本経済の中期的成長・変動と製品開発・研究投資の企業間異質性
Project/Area Number |
22K01472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 敏裕 関西学院大学, 経済学部, 教授 (50411773)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 日本経済の中期的成長 / 研究開発 / 内生的成長 / 企業間異質性 / Heterogenous Belief |
Outline of Research at the Start |
本研究は中期的経済成長・変動モデルに製品開発・研究に関する企業間異質性を組み込んだモデルを構築し、それに基づいた日本経済の中期的定量分析を行う。研究の特徴は、製品開発・研究に関する企業間異質性が中期的成長・変動に与える影響を分析する点にある。特に、企業間異質性が、中期的な周期現象である「バブルとその崩壊」或いは「持続的な高成長とその後の低成長」に重要な影響を与え得る点に注目する。金融・財政政策が与える中期的な企業間格差などの影響も明らかする。本研究で構築するような中期的成長モデルで、バブルとその崩壊などを定量的に分析した研究はこれまでなく、新たな知見を与える重要な貢献となり得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な目的は中期的経済成長・変動モデルに製品開発・研究に関する企業間の異質性を組み込んだモデルを構築・推計し、それに基づいた計量・シミュレーション分析によって日本経済の中期的定量分析を行うことである。 2022年度は本研究の基礎となる日本経済の中期的な経済成長モデルの構築を試みた。構築にあたって、これまで本研究者が行ってきた中期的成長モデルに改良を加えたモデル分析をいくつか試みた。その一つである改良モデルの論文を2023年6月にスペインで行われる国際会議(XXV APPLIED ECONOMICS MEETING June 1 and 2, 2023, Toledo, Spain)に提出し、採択された。 該当する論文のタイトルは、「INTERNATIONAL R&D SPILLOVERS, INNOVATION BY LEARNING FROM ABROAD AND MEDIUM-RUN FLUCTUATIONS」である。論文のモデルは、海外からの技術伝播を組み込んだ中期的成長モデルである。モデルでは、中期的経済成長には海外からの技術伝播が大きく影響し、その伝播には国内の企業の研究・開発投資に大きく依存することを示している。つまり、海外からの技術伝播と国内の研究開発の関係と、それが国内の中期的成長に与える影響のメカニズムをモデル化しており、それは本研究において日本経済の中期的成長を明らかにするうえで重要な要素となりえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は主に理論モデルの構築を行う計画であったが、概ね順調に進んでいる。具体的には、研究開発に関する企業の異質性を組み込んだ研究開発モデルのベースモデルを構築することができた。また、そのモデルの解法とシミュレーション分析のための数値計算プログラミングも進んでいる。本研究では中期的な株価の動きの分析を行うことが大きな目的であるが、その点に関してもモデル内に上手く組み込むことができた。 現在は、異質性を含んだモデルとの比較分析のために、代表的個人バージョンのモデル構築とその数値計算プログラム作成も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はある程度精緻化されたモデルが出来上がった段階でカリブレーション・シミュレーション分析を行う予定である。 シミュレーション分析に関してはコンピューターによる数値解析が必要であるが、本研究のモデルは非常に複雑であるため数値解析とそれを基にした分析に非常に時間がかかる。そこで、マクロ経済学や計量経済学の分野で近年使用され始めたJuliaというコンピューター言語(MITの研究者が開発した比較的新しい言語)を使用すれば時間が大幅に短縮されることが期待されるため、Juliaでの理論モデルの数値解析のプログラム・コーディングを行う予定である。 すでにJuliaによるコーデイングを始めているが、本研究のモデルに関しても、当初予定したMatlabを使用した解析と比較して、Juliaによる解析はかなりの処理スピードであることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)