Project/Area Number |
22K01477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩佐 和道 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (00534596)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 内生的時間選好 / 動学的貿易モデル / 非相似拡大的選好 |
Outline of Research at the Start |
通常の動学モデルでは、異時点間の消費の代替弾力性が一定(CIES)で、相似拡大的な効用関数を仮定した分析が行われる。しかしこれらの仮定のもとでは、所得格差の拡大が需要構造の変化を通じて経済に及ぼす影響に関して、理論的な考察を行うことができない。本研究では、二種類の消費財が存在する二部門成長モデルに、非相似拡大的選好を導入することで、所得格差の存在や拡大が経済の成長経路や長期的均衡に及ぼす影響に関して、定性的な分析を行うとともに、定量的な分析に適したCIESの性質を有しつつ、非相似拡大的な効用関数を用いて、課税や所得移転などの経済政策の効果を定量的に評価することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、経済成長に伴う所得の増加に応じた消費の変化が、各国の貿易パターンにどのように影響を及ぼし、その結果、国際貿易と各国の経済成長との間にどのような関係が生じるかについて理論分析を行う。そして、国際的なつながりが強化される中で、どのような政策が各国の経済成長にとって有効であるかを明らかにすることを目的とする。 2023年度は、本研究の国際貿易モデルに用いる時間選好率を内生化した家計の選好のもとで、複数期間における最適化問題について考察を行った。実証的には、時間選好率は所得が高くなるほど小さくなることが示されており、そのように時間選好率を内生化した場合には、通常のモデルとは異なり効用水準の正負が重要になるため、単純なモデルにおいても動学的最適化問題は複雑となりえる。具体的には、次期の効用水準が負である場合には、今期の消費が増加し時間選好率が小さくなることにより、今期の消費の増加は、効用の総和には正と負の両方の効果をもたらすことになる。 今年度は、上記の内生的時間選好に関する基礎的な分析に加えて、内生的時間選好を導入した動学的貿易モデルを用いて、資本集約財に対する関税が発展途上国の経済成長に及ぼす影響に関する分析を開始した。モデルに鞍点安定である定常状態が存在する場合には、資本集約財に関税を課すことで、貿易相手国よりも長期的に多くの資本を蓄積し所得を増加できる可能性があり、現在、その理論分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデルの構築と分析が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
論文として成果をまとめて、その発表を行い、論文の完成度を高める。
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