南インドにおける女性のエンパワーメントと社会規範、社会制度の変容
Project/Area Number |
22K01487
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 希 愛知学院大学, 経済学部, 講師 (30838040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 靖治 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (50541637)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 女性のエンパワーメント / 政策評価 / 女性自助組織活動 / インド / 貧困削減 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、男女格差が残るインド農村部において、女性の自助組織活動と全国農村雇用保障法による政策介入が、女性やその子供たちのエンパワーメントに与えた長期的な影響を明らかにする。インドでは貧困層や低位カーストの女性に焦点を当てた政策が数多く行われている。しかし、家父長制度やダウリー(持参金)習慣といった地域特有の社会制度や社会規範が存在する社会では、女性のための政策が必ずしもエンパワーメントにつながるとは限らない。本研究では、2000年代前半に自助組織に参加した女性とその子供たちへの調査を行い、長期的な影響を検証することで、より地域的な実情に即したジェンダー平等のための政策を提言することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、インドにおいて根強く残る家父長制度やダウリー(持参金)習慣の下で、女性の自助組織活動と全国農村雇用保障法(NREGA)による政策介入が、女性のエンパワーメントにもたらした長期的な影響について明らかにすることを目的としている。初年度である2022年度は、自助組織活動とNREGAが女性の労働市場への参加に与えた影響について、先行研究のサーベイを行い、パネルデータを用いて検証した。分析結果より、自助組織への参加とNREGAは初期段階において補完関係にあり、女性が自助組織へ参加することで、より容易にNREGAによる公的雇用機会を得ていたことが確認された。さらに、NREGAによる雇用保証事業が実施されたことで民間での雇用をクラウドアウトしてしまう可能性も考えられるが、NREGA事業がNREGAを除く民間での雇用も促進していたことが明らかになった。インドでは、家父長制度やダウリー習慣など地域特有の社会制度や社会規範が存在している中で、2000年代より女性の自助組織活動やNREGAなどの貧困削減や女性のエンパワーメントに関する政策が実施されてきた。しかし、実施された政策の相互関係について着目している研究はない。特に、自助組織活動が女性の労働市場への参加を促進させた可能性を示唆しているものの、これに関する明確なエビデンスはまだ存在しない。そのため、本研究によりインド全土で行われている女性の自助組織活動やNREGAといった政策介入の効果を検証し、それらの相互関係を明らかにしたことは、今後、インドでの政策介入の社会・経済的効果を巡る議論に一石を投じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は概して計画通り進行している。初年度である2022年度は、自助組織活動とNREGAが女性の労働市場への参加に与えた影響について明らかにし、国内学会において研究成果の報告を行った。現在は、2023年度に予定している家計調査の準備とともに、今年度の研究成果に関する論文の執筆を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、根強く残る家父長制やダウリー習慣の下で、自助組織活動やNREGAなどの政策介入が、女性やその子供達にもたらした長期的な影響を明らかにしていく。具体的には、インド、アーンドラ・プラデーシュ州農村部において、これまでの分析対象としていた家計のうち、ダウリーの情報など婚姻に関する情報を含む家計とその子供達の家計を追跡し、追加的な家計調査を実施する予定である。まず、女性の自助組織活動とNREGAが家父長制度の下で、長期的に女性の労働市場への参加や家庭内の立場に与えた影響を検証する。自助組織参加者と非参加者の子供達に追跡調査を行うことで、こうした政策介入の裨益女性の子供達に十分な教育機会が提供されたのかなど、政策介入による裨益女性の子供達への影響も明らかにする。更に、女性自助組織活動に参加した女性の子供世代の婚姻習慣(婚姻年齢やダウリーを介して結婚したのか)、またダウリー習慣になんらかの変容があったのかを検証する。 これらの検証は、インドの共同研究機関であるCentre for Economics and Social Studies(CESS)と連携して行う。既にCESSとは長年、協力関係を築いており、家計調査を実施するための準備を進めている。CESSは本研究において使用する4期のパネルデータを収集した経験もあり、追加的な家計調査の実施には大きな問題は発生しないと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)