COVID-19パンデミックの東アジア金融システムへの影響
Project/Area Number |
22K01499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金京 拓司 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (50527637)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 通貨 / クラスタリング / 企業破綻予測 / 機械学習 / COVID-19パンデミック / ヘッジ効果 / 株式市場 / ウェーブレット解析 / アジア金融 / 為替レート政策 / 仮想通貨 / 銀行破綻予測 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、COVID-19パンデミックが東アジア金融セクターに及ぼした影響について検証することを目的とする。すなわち、①パンデミック後の東アジアにおいて、輸出競争力の向上を意図した為替レート政策強化の可能性について、域内での存在感が増している中国人民元との連動の強まりに着目しつつ解明する、②アジア株式市場へのパンデミック・ショックに対して、伝統的な安全資産である金や近年取引が拡大している仮想通貨が有していたヘッジ効果を明らかにする、③各国間のマクロ経済状況・制度の相違等を考慮しつつ、汎用性の高い銀行破綻予測モデルを構築し、実体経済悪化が銀行セクター安定性に及ぼす影響を評価すること等を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、COVID-19のパンデミックが東アジア金融セクターに及ぼした影響について多角的に検証し、域内金融システムの安定性確保に向けての政策指針を示すことを目的としている。具体的には、①パンデミック後の東アジアにおいて、輸出競争力の向上を意図した為替レート政策強化の可能性について、域内での存在感が増している中国人民元との連動の強まりに着目しつつ解明すること、②アジア株式市場へのパンデミック・ショックに対して、伝統的な安全資産である金や近年取引が拡大している仮想通貨が有していた分散・ヘッジ効果を明らかにすること、③各国間のマクロ経済状況・制度の質の相違等を考慮しつつ、より汎用性の高い銀行破綻予測モデルを構築し、実体経済の悪化が銀行セクターの安定性に及ぼす影響を評価すること等を通じて、学術的な貢献を行い、その裏付けに基づく政策提言を行うことを主な研究の柱としている。令和5年度は、COVID-19のパンデミックが世界経済に及ぼした影響の全体像に関する実態把握を文献調査を中心に進めるとともに、上記①に関連して、アジア通貨を含む世界の主要通貨について、計量モデルで推定されたボラティリティの共通因子と因子負荷量に基づいてクラスタリング分析を行い、各通貨クラスターに共通する特徴の抽出を試みた。その研究成果は論文にまとめ公表したが、さらに研究の枠組みを広げ、背後にある共通因子の特性の解明を進めている。また、③に関連して、データに大きな偏りがあり、そのままでは教師あり学習による企業破綻の予測が困難な場合に、代替的手法によって比較的高い予測精度を確保するアプローチの実験的な試みを行った。その研究成果は、ディスカッション・ペーパーにまとめたが、さらに内容の改善を図り、学術誌での公表を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の理由により、研究計画にしたがって、研究目的の達成が概ね順調に進展していると考えられる。すなわち、1. 研究計画に従い、学術論文1編とディスカッションペーパー1編を刊行した。2. 研究成果について、日本金融学会で報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
第3年度以降も引き続き、研究計画に従って、①パンデミック後の東アジアにおける域内為替レートの連動の変化についての解明、②アジア金融市場における仮想通貨等の代替金融資産の分散・ヘッジ効果の分析、③汎用性の高い銀行破綻予測モデルの構築等の研究テーマに取り組む。そのために必要なデータベース購入や海外現地調査・研究成果発表のための旅費を中心に研究支出を行う計画である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)