大学学部の講義科目における反転授業の効果:ランダム化比較試験による測定
Project/Area Number |
22K01527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
市野 泰和 立命館大学, 経済学部, 教授 (50280706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 麻衣 立命館大学, 経済学部, 准教授 (70771468)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 反転授業 / 大学教育 / ブレンディッド・ラーニング / ランダム化比較試験 / グループ学習 / 講義動画 / 媒介分析 / アクティブラーニング / 大学 / 講義科目 / ランダム化比較 / ランダム化比較試験デザイン / 大規模講義科目 |
Outline of Research at the Start |
反転授業とは,近年注目を集めているアクティブラーニングの一種であり,従来の授業方法(この研究では「通常講義」と呼ぶ)を「反転」させ,学生は授業前に講義動画を視聴しておき,授業中には学生どうしの協同学習を通して講義内容の定着をはかる,というものである.本研究では,大学の経済学部における大規模講義科目の2つのクラスで反転授業と通常講義の両方を実施し,統計的分析によって,通常講義と比べて反転授業は学生の学習成果を高めるのか,反転授業が学習成果に与える効果は学力や学習意欲など学生の性質や態度によって異なるのか,および,反転授業の効果のうちどれくらいが授業外の予習によるものなのか,という問いに答える.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究のパイロット版として2021年度に「経済学入門」で実施した反転授業の実験結果をまとめた論文は,International Review of Economics Educationから再投稿の返答を得ていたが,改訂稿に対し2023年9月に掲載不可の返答を得た.その後,2つの学術誌への投稿と掲載不可を経て,コロナ禍での実験計画の乱れにより分析結果が反転授業の効果だとみなせない,という指摘を踏まえ,反転授業の学習成果への効果についての説明を大幅に改めて改訂稿を作成した.近いうちに改訂稿を別の学術誌に投稿する. 2022年度の「経済学入門」で実施した反転授業の実験結果は日本語論文にまとめ,2024年2月に日本教育工学会論文誌に投稿した.主な結果は次の5つである.(1)反転授業は小テストの点数を0.18から0.36標準偏差程度上昇させるが,期末テストの点数を上昇させる効果はない.(2)反転授業が小テストの点数に及ぼす効果はグループ学習に積極的な学生ほど大きい.(3)反転授業は学生の学習への取り組みを高める.(4)平均的には反転授業は伝統的授業よりも授業満足度が低いが,グループ学習に積極的な学生は反転授業のほうが満足度高い.(5)反転授業が小テストの点数に及ぼす効果のうち6割は動画視聴の促進を通した効果であり,残りの4割は授業中のグループ学習の効果であると見なせる. 2023年度は2022年度と同じ設計で実験を行った.2023年度の実験データを用いた分析結果は2022年度のものと質的に似ており,上述した2022年度データの分析結果の頑健性が確認できた.2024年3月からは,2022,2023年度実験の統合データを用いて,反転授業でのグループ学習において,グループの性質の違いが反転授業の学習への効果に違いをもたらすのかを検討する分析を始めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リサーチアシスタントの雇用にあたり,適切な人員を確保することに予定よりも時間がかかったため,実験のデータ整理とそれに基づく論文作成にやや遅れが生じた.しかし,2023年度実験データの整理は順調に進めることができたため,2022,2023年度データの分析結果はセミナーや学会で精力的に発表することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2022,2023年度の統合データを用いて,反転授業でのグループ学習において,各学生が所属していたグループの性質(グループのメンバーのグループ学習への態度や自己調整学習方略,英語と数学のプレイスメントテストの点数などの平均値や最大値)の違いが反転授業の学習への効果に違いをもたらすのかを検討する分析を進める. また,2024年度の「経済学入門」における実験では,反転授業でのグループ学習において「コレクティブ・エフィカシー(集合的効力感)」が現れるのか,現れるのはどのようなグループなのかを検討するための質問項目を新たにアンケートに加えている.なお,2024年5月現在,「経済学入門」における実験は順調に進んでいる. 2024年2月から,外部委託のリサーチアシスタントの雇用を始めた.このリサーチアシスタントには,2022,2023,2024年度のデータの整理と,計量経済学的分析のプログラムの整理を依頼しており,作業の効率化を図っている.2024年度の実験は2024年8月に終了するため,そのデータの整理を直ちにリサーチアシスタントに依頼し,2024年度データを使った分析を迅速に開始する予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)