Project/Area Number |
22K01551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07060:Money and finance-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西川 輝 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30622633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 清隆 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (30311319)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 外為法改正 / 為替自由化 / 為替エクスポージャー / 為替リスク管理 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、1998年4月の外為法改正と為替自由化が、国際金融環境の激変と為替相場の大幅な変動に直面してきた日本企業の為替リスクへの耐久力とリスク管理体制に与えた影響を分析することにある。すなわち、為替リスク(為替エクスポージャー)の推計モデルと有価証券報告書から構築した独自の企業データを駆使し、外為法改正の前後で、日本企業の為替エクスポージャーと為替リスク管理がどのように変化したか実証的に分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1998年4月の外為法改正が日本企業の為替変動リスクへの耐久力とリスク管理体制に与えた影響について実証的に解明することにある。外為法改正により日本の為替自由化は完了し日本企業の為替リスク管理の大幅な効率化が期待されたが、日本企業の業績は2000年代後半からの急激な為替変動に大きく左右されるなど、為替変動リスクへの耐性を十分に高めるには至っていない。外為法改正によって日本企業は為替リスクを十分に回避できるようになったのか。 この問題を解明すべく、2023年度においては、本研究の背景をなす為替自由化と国際金融システムの変容過程について確認したうえで、外為法改正が完成車メーカー10社の為替エクスポージャーと為替リスク管理に与えた影響について実証分析を行った。実証分析にあたっては、これら企業の有価証券報告書のほか、自動車産業の業界団体やシンクタンクが刊行する報告書等からデータを集計し独自に構築した説明変数を利用した。その結果、次の諸点が明らかになった。①外為法改正は、自動車企業の為替エクスポージャーを増大させる方向に作用した。②為替自由化により企業の為替リスク管理が効率化した結果、収益力のある自動車企業は効率的なリスクヘッジの活用によって為替エクスポージャーの増大を抑制することができるようになった。③円建て取引の比重が大きい東南アジア向けの輸出や売上が大きい自動車企業ほど、為替エクスポージャーの増大を抑制することができた。 為替自由化が日本の自動車企業に与えた影響に関する以上の分析結果は、為替自由化を進めるアジア諸国の政府や企業に対し有益な示唆をもつと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、1998年4月の外為法改正が日本企業の為替変動リスクへの耐久力とリスク管理体制に与えた影響について実証的に解明することにある。本研究の独創性は独自に作成した企業別の説明変数を用いる点にあることから、データベースの構築が決定的に重要な作業であった。この点についてはおおむね2022年度に完了させており、2023年度においては、当初の予定通り、実証分析と成果の発信を行った。 実証分析の成果は、2023年10月の国際学会(East Asian Economic Association the 18th International Conference)で発表しフィードバックを得たのち、追加的な検討を行ったうえで、横浜国立大学経済学部附属アジア経済社会研究センターのワーキングペーパーとして発表した。このため「(2)おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、3年間(2022~2024年度)の補助事業期間を通し、①データベースの構築、②実証分析と成果の発信という手順で研究を実施する計画である。最終年度にあたる2024年度においては、まず2023年度の成果を査読付き国際学術誌に投稿する。これと並行し、外為法改正をはじめとする国際的な環境変化が日本企業の為替リスク耐久力と為替リスク管理に与えた影響ついて包括的な成果のとりまとめを行う計画である。
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