Project/Area Number |
22K01569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07060:Money and finance-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
取越 達哉 久留米大学, 経済学部, 教授 (90913624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田端 克至 愛知大学, 経済学部, 教授 (40277702)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 国際金融センター / ネットワーク分析 / 異質性(heterogeneous) / 国際資金フロー / 国際金融システム |
Outline of Research at the Start |
国際金融センターの形成には、「距離の近さ」が重要な要素であると考えられてきた。「距離の近さ」が「対面接触によって得られる情報の入手しやすさ」を決定づけ、金融取引の質とボリュームに大きな影響を及ぼしてきたからである。ところが、コロナ禍にあって、この考え方が大きなチャレンジに直面している。疑似的な対面接触を可能とするビデオコミュニケーション・ツールが、市場参加者の間で急速に浸透しているためである。本研究では、金融分野における「距離の近さ」の重要性が低下する中での「国際金融センターの成長と衰退の条件」を、計量分析、経済モデルを用いて明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
助事業期間の二年度。初年度に行った、関連文献の収集、分析の基礎となるデータの収集・加工、ソフトウェアの調査・収集及び選別に基づき、分析を本格化させた。具体的に行った作業は、①分析の前提となる世界経済に関する分析、②現実のデータを用いたネットワーク分析、である。 ①について。近年、世界経済は大きく変化しており、その理解なくしては、本研究の遂行は難しい。そのため、学術的な先行研究を踏まえつつ、その分析を行った。分析に際しては、金融市場において関心の高いテーマを設定した。具体的には、デジタル経済、気候変動、人口動態、金融資本の膨張、グローバリゼーション、世界経済の中心地の変化、の6つである。 ②について。ネットワーク分析で用いられる様々な指標を、現実の国際金融市場のデータを用いて計測した。具体的には、世界各国のクロスボーダー証券投資によって形成されるネットワークを対象に、ネットワークの構造、ネットワークにおける各国の特徴等について分析した。 ①及び②の作業の結果の一部として、2023年9月、書籍を出版することができた(「投資家のための『世界経済』概略マップ」)。また、②の作業の結果として、2023年9月、学会(証券経済学会)にて報告を行うことができた(「グローバル証券投資の中心性分析」)。また、同報告を発展させた論文の、学術誌への掲載が決定した(「証券経済学会年報」)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画は、「金融分野における『距離の近さ』の重要性が低下する中での『国際金融センターの成長と衰退の条件』について、近年急速に発達した分析手法であるネットワーク分析を用いて分析する」である。 当初計画はやや遅れている。その主たる原因として挙げられるのが、具体的なネットワーク分析の手法の選択において時間を要したこと、である。すなわち、ネットワーク分析には多様な手法が存在するものの、国際金融・国際金融センターに関する分析、国・機関・組織等の成長や衰退に関する分析が発展途上であることに加え、物理的な距離を考慮した分析手法が確立していないことから、本研究において、どのような手法を用いるべきかを検討する作業に時間を要した、ということである。 もっとも、初年度には、研究を遅らせる大きな要因の一つであった、「ソフトウェアによって、計算可能なネットワーク分析の尺度が異なる」というソフトウェアごとの違いに対する理解の不足に関しては、事態は大きく改善した。テクニカルな要因ではあるが、その点は、研究の進捗にとってプラス材料であったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、「金融分野における『距離の近さ』の重要性が低下する中での『国際金融センターの成長と衰退の条件』について、近年急速に発達した分析手法 であるネットワーク分析を用いて分析する」ことを目的とする。2024年内に、国内外の学会での発表、海外のジャーナルへの投稿を行う予定である。
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