19世紀フランスにおける河川交通と商業地の形成に関する史的研究
Project/Area Number |
22K01605
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
東出 加奈子 大阪成蹊大学, 国際観光学部, 教授 (40709672)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | フランス / 近代 / パリ / 商業史 / 交通史 / 近代フランス史 / 社会経済史 / 都市史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、19世紀フランスにおける河川交通の発展により、新たに形成される商業地の実態について考察することを目的とする。対象とする商業地は、パリのセーヌ河上流の河川港にぶどう酒の倉庫が建設されるベルシー地域である。具体的には、①パリの都市計画を通してベルシー港に倉庫が建設された過程を明らかにする、②商業地における活動の実態を調査する、③鉄道が建設されることにより河川港の商業地にどのような変化をもたらしたのかを研究する。 19世紀における複合的な輸送網の体系を視野に入れ、商業地形成の過程と商業活動の実態を明らかにすることで、フランスの交通史と商業史の新たな研究となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、19世紀フランスにおける河川交通の発展により、新たに形成されるパリの商業地について考察することを目的としている。 2022年度は、パリの都市計画を通してセーヌ河のベルシー港に倉庫が建設された過程を明らかにするうえで、関連する先行研究の調査、夏季にフランス国立文書館とパリ市歴史図書館に赴きベルシーに関する史料の閲覧を行う計画であった。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)の状況から、年度末の3月に渡仏し史料調査を実施した。そこで、渡仏までの期間は、先だって収集していた史料の分析を行い、インターネットで閲覧可能なフランス国立図書館のサイトを利用して研究を進めた。 これまでの調査から、ベルシーが郊外からパリ市に併合されることになった1860年までの歴史をたどり、それまで独立したコミューン(市)としてどのような特徴をもつ地域であったのか分析を進めるうえで、行政組織や議員の名簿を入手することができた。パリにおける倉庫の必要性を明らかにする手掛かりとともに、ベルシーにぶどう酒の倉庫が建設されるまでの議論をまとめた成果は、10月に「水と都市」研究会において「近代パリの河川港における物流と都市形成」のテーマとして、そして1月には、関西フランス史研究会で「19世紀パリ拡張における河川港と商業地形成」のテーマで報告を行い、有益な示唆を得ることができた。また、研究報告要旨に成果をまとめ発表した。郊外がパリに併合される地域については都市史の観点からいくつかの研究があるが、交通網に関わる商業地に焦点をあてた研究は見られないことから、本研究において一次史料の調査に重点を置き考察を深めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、夏季にフランスでの史料収集を行う予定であったが、3月に渡航を実施した。しかし、これまでに収集していた史料ならびに文献、インターネットの閲覧を通して国内で可能な取り組みに専念して分析を進めた。3月にはフランスに渡航し、一次史料の調査と史料収集を実施でき、今後の必要な史料を検討しつつ分析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は3月にフランスに渡航し史料調査を実施したので、2023年度では史料整理を進めていく。また、パリ市行政図書館にベルシーに関する新たな一次史料の存在が分かり、次回の現地調査で閲覧する必要があると考えている。 パリの都市計画を通してセーヌ河のベルシー港に倉庫が建設された過程を明らかにするとともに、商業地における活動の実態を調査し、鉄道が建設されることにより河川港の商業地にどのような変化をもたらしたのか検証していく予定である。 夏季にフランスに赴き、引き続き一次史料の収集と分析を進めていく。 その成果は、西洋近代史もしくは社会経済史に関連する学会や研究会で報告し、査読付きの論文投稿に向けてまとめていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)